高利貸
アイスクリームは氷菓子だから、高利貸を「アイス」と呼ぶ。熱海の海岸での貫一、お宮の別れの場面で知られる尾崎紅葉の「金色夜叉」には、「高利貸(アイス)」が何度も出てくる。
由于冰激凌是冰点心,因而人们把高利贷喻之为「冰」。因主人公贯一与阿宫分别场面而为人所熟知的尾崎红叶的《金色夜叉》一书中,多次提到了"高利贷(冰)"。
金に目がくらんで資産家のもとに走った許婚者?お宮を恨んだ学生?貫一が、「高利貸(アイス)」になる。そして、金力でお宮と社会への復讐(ふくしゅう)を図る。明治期に新聞に連載されて評判をとり、芝居でも繰り返し上演された。
小说中,痛恨未婚妻阿宫为了金钱而嫁给有钱人,贯一最终也成了一名高利贷者。而且,他还试图依靠金钱势力来报复阿宫和社会。这部小说于明治年间在报纸上连载获得好评,并且在戏剧舞台反复上演。
森鴎外が述べている。「金色夜叉は高利貸の小説だ……人間は己れが生存するに足る丈の物を得て、そこに満足することをあきたらないとして、機会の許す限、出来得る限、生活の増長を謀るものだ、生存を願ふのではない、増殖を願ふのだ」(「鴎外全集」岩波書店)。
森鸥外是这样评述小说的。"金色夜叉是一部描写高利贷的小说……人们获得了自己生存所需之后,却又不再仅仅满足于此,只要一有机会,只要有足够的可能,他们就会去牟取更富足的生活。这并不是为了生存,而是为了谋求增值。 (「鸥外全集」岩波书店)。
この「あきたらなさ」とは、人間の業のようなものだろうか。それは、時として人を駆り立て、金色の夜叉に変えてゆく。金銭の貸し借りを巡っても、さまざまな悲劇を生んできた。
这种不满足感,或许也类似于人类的工作吧?这个东西有时驱使人们,让他们变成金色的夜叉。围绕金钱的贷借关系,也引发了不少的悲剧。
日本ではこれまで、貸手の側に有利な奇妙な制度が続いていた。金を貸す時、借り手が「任意」で支払う場合には、法律で定められた上限より高い金利を取ってもかまわないというのである。最高裁が、そんな実態を正す画期的な判決を出した。事実上の強制があれば、上限を超えた分の支払いは無効とする初めての判断を示した。
日本迄今为止,一直都保持着有利于贷款方的奇怪制度。也就是说在将钱款贷出之时,如果借钱一方是以"任意利息"借贷的场合,就可以按照法律所规定的最高额度收取利息。最高法院,终于做出了纠正这种情况的划时代判决。如果现实生活中存在着强制行为,那么超出上限的利息部分判令无效。
これまで支払いに苦しんできた人は数多い。行政も消費者金融などの業界も、速やかに是正に動いてほしい。放置し続けるようなら、業界は現代の「高利貸(アイス)」、行政はそれを保存する「冷凍庫」などと呼ばれかねない。
这之前很多人为了支付高利贷而痛苦不堪。希望行政,消费者金融等相关业界,能够快速地行动起来。如果再放任此事,那么相关业界或许会被称之为"高利贷(冰)",而行政则可能被称为保存这些冰的"冰箱"了。