禁煙
「原文」 たばこが日本に伝わったのは、400年ほど前らしい。江戸時代の始め、当局(とうきょく)は禁煙令(きんえんれい)を発した。「諸病(しょびょう) 平癒(へいゆ)のためといいながら、かえって悶絶(もんぜつ)す」、「キセルというもので煙を吹くが、無益(むえき)である」。いまでも通用(つうよう) しそうな中身(なかみ)だ。喫煙(きつえん)人口は広がっていた。
400年たって、企業が禁煙令を出す時代になってきた。これは効(き)き目がありそうだ。例えば大正製薬(たいしょうせいやく)。新春五日の仕事始めから本社、支店、工場、研究所など全国16ヶ所の事務所すべての敷地内(しきちない)を完全禁煙とする。4700人の従業員(じゅうぎょういん)だけでなく、取引先(とりひきさき)など外部の人も対象(たいしょう)だ。戸外(こがい) であろうと、敷地内なら吸えない。
今年の世界禁煙デー(5月31日)をきっかけに、全社に禁煙の呼びかけを始めた。まず会議での禁煙、ついで応接室(おうせつしつ)からの灰皿(はいざら)の追放(ついほう)、たばこ自販機(じはんき)の撤去(てっきょ)と続いた。「生活者の健康の維持増進(いじぞうしん)に貢献(こうけん)する、という経営理念に照らした」措置(そち)だそうだ。従業員の半数が喫煙者とみられるが、全体として反発(はんぱつ)はないという。
プレハブ大手(おおて)の大和ハウス工業も、来年の本社移転(いてん)を機に、地上22階、地下3階の全館を禁煙とする。普通の人も利用する地下の喫茶店(きっさてん)なども同様(どうよう)。最大の利点(りてん)は、年間1000万円近い経費の節減(せつげん) だ。喫煙場所に置く空気清浄機(くうきせいじょうき)の電気代、灰皿清掃の人件費(じんけんひ)、煙(けむり)の汚れによる内装の改装費(かいそうひ)などがいらなくなる。
分煙(ぶんえん)を実施しているところは、珍しくなくなった。宮崎県(みやざきけん)日向市(ひゅうがし)の日向警察署もその1つ。来訪者(らいほうしゃ)には強制しないけれど、室内は禁煙。吸いたい署員(しょいん)、一階と二階の踊り場が喫煙所だ。ただし取調室(とりしらべしつ)だけは「いろいろ接し方があるので」と喫煙か。理解はできる。
大正製薬に戻ると、完全禁煙の決断(けつだん)は、ある幹部(かんぶ)の死もきっかけだったという。たばこ好きだったその人はこの夏、肺がんで亡くなった。
禁 烟
大约在400年前香烟传到日本。江户时代初期,当局颁布了禁烟令。在这项法令中说,「虽说是为了百病皆愈,但反而人会憋闷死。」,「用烟袋吸烟有害无益。」其内容在当今依然适用。然而,这个禁烟令并没有起到什么作用,烟民依然不断地在增加。
4O0 年过去了,是企业发出禁烟令的时代了。这种禁烟令似乎起了作用。例如:「大正制药公司」规定,从1月5日上班开始,在总公司、分公司、工厂、研究所等设在全国的16个机构的所有区域内全面禁止吸烟。这项规定不仅适用于4700名公司职工,也适用于来公司的客户等外部人员。在这个区域内,即使是室外也不许吸烟。
这家公司以今年的世界戒烟日(5月31日)为契机,向全公司发出了禁止吸烟的号召。首先在会议时禁止吸烟,接着撤掉了接待室的烟灰缸,又撤掉了香烟自动销售机。据说这是根据[为促进国民健康作贡献这一经营理念]所采取的措施。虽然吸烟者大约占职工的半数左右,但是在整体上没有出现反抗情绪。
制造住宅用预制式房屋的大型公司──「大和房屋工业公司」也将从明年3月总公司搬迁之日起,在地上22层、地下3层的整个建筑内禁止吸烟。一般人可以利用的地下咖啡馆也同样禁止吸烟。这样做的最大好处是一年可节省近1000万日元的经费。其中包括安放在吸烟场所的空气清洁器的电费、清洗烟灰缸的人工费,由于烟薰所需的室内装修、改装费用等。
实施设吸烟区已经不是新鲜事情。宫崎县日向市的日向警察署也采取了这一措施。对来访者虽不实行强制,但是室内禁止吸烟。想吸烟的警察署工作人员要到一楼与二楼的楼梯平台去吸,那里是吸烟的场所。不过,只有审讯室,「由于这个地方的接待方式有些特殊」,所以可以吸烟。这是可以理解的。
再回到「大正制药公司」,据说,做出全面禁止吸烟的决定也是由于这家公司一名干部的死亡而引起的。这个喜欢吸烟的人在今年夏天死于肺癌。