ベトナムの出国手続きに続いてそのまま中国のイミグレーションへ。南アフリカから数えて、23回目のイミグレーション。そして、これが最后でもある。
しかし気を抜いてはいけない。なんでもSARS以来中国での入国管理は非常に厳しくなっているらしく、センサーで入国者の体温を计りわずかでも热があると入国を拒否されるそうだ。荷物検査も当然のようにあるのだが、そんな状况でもし入国者(オレ)の荷物から肺炎の症状がよく表れているレントゲンが出てきたらどうなるか。おそらく、1万%の确率で入国禁止を言い渡されるはずだ。仮に「あれ? 肺炎のレントゲンって持ち込み禁止だったんですか?? わかりました。じゃあいったん预けます。また向こうで返して下されば结构ですから」とトボけて自分だけ入场しようとしても、中国の役人に冗谈は通じずタコ殴りにされると思われる。
そもそも危険なのはレントゲン写真自体ではなくオレの方なのだ。仮にオレかレントゲンかどちらかに入国许可が出るとしたら、レントゲンの方である。レントゲン写真だけがオレを置いて入国し、そのままペラペラとめくれながら旅を続けるという状况にもなりかねない。
ということで、エノモト先生ごめんなさい!!
あの胸部レントゲン写真は、宿に置いて来てしまいました……。だって、旅を続けたいのはオレなのだからっ!! レントゲンがひとりで中国を旅したって、どうせ人见知りして现地の人になんて驯染めないに决まっているんだから!! 谁とでもすぐに打ち解けてしまうオレと违って!!
そして、イミグレーション无事通过。心持ち新たにバックパックを背负い、税関の后ろの重いガラスのドアを开くと……