「西気」は中国の新疆・青海・四川・重慶・オルドス地区で生産される天然ガスを指すが、「東輸」というのはこれを長江デルタ地区に送ることである。
中国の中部と西部地区にはタリム・ジュンガル・トルファン・ツァイダム・オルドス・四川という石油と天然ガスを埋蔵する6つの盆地がある。予想される天然ガス埋蔵量は22兆4000億立方メートルで、全国の天然ガス資源総量の60%近くを占めている。天然ガスの資源状況や現在の探査の進展状況から、政府は「西気東輸」プロジェクトを始め天然ガスパイプラインの建設を加速することを決定した。政府は資源的優位を経済的優位に転換させ、東部地区の天然ガス需要を満たすため、陜西-北京間の天然ガスパイプラインを敷設したほか、タリム-上海間、青海渋北-西寧-甘粛蘭州間、重慶忠県-湖北武漢間の3本の天然ガスパイプラインを敷設する。より大きな範囲で言えば、現在計画中のロシア西シベリアからの天然ガスパイプラインを現在の「西気東輸」パイプラインと連結させ、またロシアの東シベリア地区の天然ガスパイプラインと繋げることも計画されており、この2本の天然ガスパイプラインも「西気東輸」プロジェクトに属している。
狭い意味での「西気東輸」プロジェクトは、新疆タリムから上海長江デルタ地区までの天然ガスパイプラインを指している。このパイプラインは口径1118ミリ・長さ4200キロで、新疆・甘粛・寧夏・陜西・山西・河南・安徽・江蘇・上海の9つの省・自治区を跨いでおり、天然ガスの年間輸送量は120億立方メートルに達する。都市ガス網や工業利用など関連プロジェクトの建設を入れると、このプロジェクト全体の投資規模は1200億元に達している。
現在、「西気東輸」パイプラインの第1線と第2線工事はすでに完成し、第3線工事を施工中である。
(写真:「西気東輸」工事イメージ図)