中国では高校の入学試験を「中考」と呼ぶ。中学校から高校への進学率は60%足らずで、高校から大学への進学率よりも低いことから、高校入試は最も難しい試験とされている。
高校入試は中国各地の教育部門によって、統一した問題が出される。試験の主な科目には、国語、外国語、数学、物理、化学などがある。試験は一般的に毎年6月に行われる。
学生は高校入試で好成績を取ると、いい高校に入学でき、更にいい大学に進学するチャンスが与えられ、最終的には明るい就職の見通しが保障される。高校入試の成績がよくなければ、高校に進学できず、低い文化水準の就職しかないという状況に直面する。そのため、多くの中国人にとって、高校入試は運命を決める試験とされている。
大学の入学試験
大学の入学試験は高校から大学に進学する際の試験を指している。試験は中国教育省が発表した試験綱要の下で、国家、或いは各省の教育部門によって統一的に試験問題が出される。毎年の6月7日から始まり、試験の期間は2日間または、3日間にわたる。
現在、大学入学試験の内容は、「3+X」といわれるもので、 「3」とは国語、数学と外国語の3科目を指し、「X」とは全国や各省の試験で異なり、または選択的な科目を指している。ある地方では、文科の総合試験、或いは理科の総合試験がある。つまり、文科を申し込んだ学生は文科の総合試験に参加し、理科を申し込んだ学生は理科の総合試験を受けることを指す。また、ある地方では、ただ文科、或いは理科の総合試験を指すだけでなく、試験に参加する学生は申し込んだ専門と大学の要求によって、更に、物理や化学、生物、歴史などの科目の試験を選ぶことを指している。
大学院入学試験
大学院入学試験は、大学や研究機構が大学院生を募集するための試験である。修士課程と博士課程の二つの段階に分けられている。
筆記試験と面接試験に分けられ、筆記試験の共通科目は中国教育省によって、統一した問題が出され、最低合格ラインが決められる。例えば、文科系を選んだ学生は政治と外国語の試験を、理科系を選んだ学生は政治、外国語と数学の試験を受けなければならない。専門科目の試験は、各大学や研究機構によって内容と最低合格ラインが決められる。筆記試験をパスした後、面接試験を受けなければならない。大学や研究機構は学生の筆記試験と面接の成績で、優秀な学生を選ぶ。
博士課程の試験は、主に学生を募集する大学や研究機関によって独自に行われる。試験を受ける人は、修士の学位があり、元の専門学科のコースに進む場合、外国語と、2、3の専門科目の筆記試験、面接を受けるのみである。元の専門ではない学科の博士課程に進む場合、或は修士に相当する学歴で博士課程の試験を受ける場合は、5、6科目の筆記試験と面接を受ける必要がある。
ここ数年、大学卒業生の就職難が生じていることから、中国では大学院の試験を受ける学生も急速に増え、合格が難しくなった。このほか、教育制度の改革に伴い、大学院生を受け入れる大学や研究機構の入学試験での自主権も次第に大きくなっている。
資格証書試験
学歴教育の試験のほかに、中国では各種類の資格証書を得るために行う試験も多い。これらの試験は、就業の選択技を増やすためにあり、就業能力や自己の技能を証明する試験である。
現在、参加者の多い資格試験は主に、外国語レベル試験や、コンピューターレベル試験、音楽、踊りの等級試験、法律、会計などの各種就業レベル試験などがある。このほか、中国の経済発展の国際化に伴い、一部の国際的な職業資格やレベル試験も広がっている。
資格証書試験のほとんどは多くの級別に分けられ、さまざまな獲得レベルを示している。多くの資格証書試験は1回で済むわけではなく、引き続き更に高いレベルの試験に挑戦するため、絶えず勉強し、レベルを向上する必要がある。