中国政府は、自然資源の持続可能な利用と良好な生態環境は、持続可能な発展戦略を実施するための前提条件だとして、生物多様性の保護や土壌流失と砂漠化の防止、森林の拡大や都市、農村の生態環境の改善、環境破壊と汚染の防止、世界環境保護における協力への参与などの措置を通じ、国家の持続可能な発展戦略を効果的に実施していく方針である。中央政府各部署の政策、計画と活動、及び地方政府の国民経済と社会発展計画の中において生物多様性の保護と持続的な利用に関する内容を盛り込んだ。
伝統的な計画経済から市場経済へと変わりつつある中、中国政府は、農業生産においては粗放型経済成長モデルから集約型経済成長モデルへの転換を促している。人口の増加が速いため、過度に自然資源を利用したことで、生態環境の悪化を導いた。土壌流失や砂漠化が激しくなり、生物資源の消耗が早過ぎる点で、国家経済が著しく抑えられた上、生態環境が破壊された地域において貧困化を深刻化させた。中国政府は、農村の経済政策の改革を重視し、集約型生産モデルに励み、植樹造林や土壌流失防止、砂漠化防止など、生態建設プロジェクトや生態農業技術の開発などの実施を奨励している。生態建設プロジェクトは、農業生産と保護、生物多様性の持続利用を効果的に結びつけた。
数年をかけ、生態建設の実践から多くの経験をまとめた。例えば、大型防風林の整備やオアシス建設の経験、傾斜地を段々畑にし、生産量が高く、安定した畑を整備する経験、大型水利施設や小型蓄水土壌保全プロジェクトを建設する経験、耕地を森林や草原に戻し、生態植生を回復する経験、経済林や生態林、木や草を交互に栽培する経験、旱魃地域での農業生産や節水型灌漑、先進技術を駆使する経験、山、水、畑、森林、道路など狭い流域を総合的に整備する経験、荒山を請け負い、植樹造林や草を栽培する経験、草地の衰退や砂漠化、アルカリ化を整備する経験など、これら経験と方法は生物多様性の保護に積極的な役割を果たした。