1.マッサージの基本的要領
マッサージは漢方医学の理論に基づいて弁証論の原則の下で行われている。これは内服薬を使用せず、副作用も少なく、多くの病気に良好な効果を持ち、簡単で施し易い方法である。その応用範囲は広く、常に頚椎病、急性腰肌損害、四肢関節軟組織損傷などの病気に施されている。マッサージの手法には一定の基準となる動きと技術の要領があり、これには持続、力、バランス、柔らかさ及び浸透などの基本法が要求される。
2.マッサージの効能
一、人体の臓腑機能を調整すること。漢方医学では疾病の発生は臓腑の機能失調が原因とされている。マッサージによって人体の臓腑器官のバランスを調整し、病気を治したり体力作りを目的としている。(写真)
二、血液の運行を推進すること。血気とは血液と気力のことで、生命維持にとって重要である。経絡は人体の代謝物質の通り道として全身の血気の運行を支配している。外邪が人体に侵入すると経絡を通じて臓腑に入ったり、また内臓の病変が経絡を通じて体表に反応が出たりする。マッサージは経絡を解きほぐして血気を調整する上で、臓腑機能を調和し外邪の侵入を防ぐことができる。(写真)
三、筋肉や関節を柔らかくすること。皮膚のマッサージで毛穴のつまりや開きが改善できる。筋肉のマッサージで肌のキメが細くなる。脈絡のマッサージで血流を良くし、流れの悪かった状態が改善できる。現在、マッサージは通常医療の場でも代替医療の場でも様々な健康増進の目的で使われている。