黄山は、中国安徽省南部黄山市に位置し、南北の長さが40キロ、東西の幅が30キロ、面積が1200平方キロで、風景区に画定された地区の面積は154平方キロに達しています。黄山は山が高く重なり合い、険しい峰が林立し、谷が深いです。気候の温差が垂直に変化し、降雨が充分で、湿度が大きいことから、霧と雲海が多いというのが黄山の特徴です。
黄山は、「天下の有名な風景は黄山に集まる」と古来の文人たちに絶賛された名山であり、とりわけ、奇松、奇石、雲海、温泉「四つの絶品」で、その名が天下に知られています。奇松は、最も奇妙な景観で、百年以上の樹齢を持つ黄山の松の木が1万株もあり、これらの松は峰や谷にあり、強い生命力があると見られています。そのうち、玉女峰の麓にある迎客松は黄山のシンポルです。奇石は黄山のどこにも見られ、様々な形をし、大きいものは林のように聳え立っています。黄山の気候の温差は垂直に変化しており、一年のうち200日以上を霧と雲海に覆われ、この雲海は様々な素晴らしい景観を呈しています。黄山の温泉は、水が澄んで、飲むことも、沐浴することもできるということです。
黄山の自然環境の条件が複雑で、生態環境のバランスがよく取れ、原生植物が自然に分布しいます。黄山では、現在沼沢一ヵ所と湿地一ヵ所が保存されてます。森林カバー率は56%、植生カバー率は83%に達しました。有名なお茶「黄山の毛峰」や有名な漢方薬「黄山の霊芝」が国内外によく知られています。古木が多い黄山はまた珍しい動物が生息する理想的な場所です。
黄山は、美しい自然景観に恵まれているだけでなく、奥深い中国文化をも備えています。歴史上数多くの詩人や画家及びその他の芸術家たちは黄山を訪れ、黄山の素晴らしさを讃える数え切れない優れた芸術作品を作りました。中国歴代の詩人、李白、賈島、范成大、石濤、龔自珍らも黄山を讃える作品を作ったことがあります。その作品は2万点以上あると言われています。
中国古代の伝説上の軒轅皇帝はかつて黄山で修行し、つい仙人となったということです。現在、このような伝説とかかわりのある多くの峰、例えば軒轅峰、浮丘峰及び煉丹峰など残されています。黄山はまた、宗教、特に道教と密接な関係を持っています。
黄山は、1990年ユネスコによって、『世界の文化と自然遺産』に登録されました。世界遺産委員会は「黄山は中国の文学芸術史に広く讃えられる有名な山で、その美しい自然風景に恵まれた名勝地を訪れる国内外の多くの観光客、詩人、画家及び写真家にとって魅力ある場所だ」と評価しました。