中国の打楽器は素材により、金属、竹、その他と主に3種類に分類される。金属類の打楽器に属し、銅を製錬して作られる。構造は比較的単純で、円形の本体を周りの枠に吊るし、演奏者はバチで銅鑼の本体中央部を叩き、振動が発生して音が出るという仕組み。
最も古くから使っていたのは中国西南部に住んでいる少数民族で、紀元前2世紀頃に各民族の文化交流が盛んになにつれ、銅鑼は中国内陸部まで伝わった。昔は戦争でよく使われていた。軍隊の指揮官は銅鑼で作戦の合図を送り、陣頭指揮をとった。中国の古代軍事専門用語である「鳴金収兵」という言葉の「金」は銅鑼の別称でもある。
その後、一般的によく使われる大銅鑼と小銅鑼の2種類の他、使う場所や場面によって、様々な30種余りが誕生した。
大銅鑼は銅鑼の中でも最も大きく、直径30㎝から1mまである。特徴は音が大きく、重々しい低音で、柔らかく響く音色は余韻を長く残す。大規模編成の楽団では、雰囲気の盛り上げに大きな役割を果たしている。また劇中に使われる時は、雰囲気をかき立て、人物の性格を強く現す音としての役割も果たしている。
小銅鑼は高音、アルト・ホルン、低音の三種類に分けられます。直径は21㎝から22.5㎝の間で、使い道も非常に幅広い。特に京劇のほか、華北や東北地方で広く行われる地方劇「評劇」、また、湖北、湖南、江西、安徽省などの地方劇の「花鼓劇」といった各地方劇でもよく使われる。その他、演芸、現代劇、吹奏楽団、民間舞踊などで広く用いられる。