少女がキサゴ(巻き貝の一種)などを指ではじいて取り合う遊び。古くは小石を用いたので「石はじき」とよんだ。江戸時代からきさごを使って遊んだので、「きさごはじき」ともいった。明治以後はガラス玉のもの、さらに第二次世界大戦後にはプラスチック製のものが出回っている。この遊びは古代中国、6世紀西魏(せいぎ)の時代に創案された弾碁(だんぎ)がおこりといわれ、日本には奈良時代に渡来したらしい。平安時代には宮中でもて遊ばれたことが『源氏物語』にみえている。弾碁は中高の碁盤(ごばん)の上で黒白の碁石を盤の隅からはじき合い、相手の石に打ち当てるもので、これから石はじきが生まれた。江戸時代以後「きさご」の名で親しまれてきたが、遊び方は、同数のきさごを出し合い席上にまき、きさごときさごの間を小指でくぎったあと、母指と食指とではじき当て、数多く取ったほうを勝ちとした。
おはじき