寝そべるという意味の「躺平」がいま中国で最新の流行語になっている。だらっと寝そべって、何も求めない。マンションも車も買わず、結婚もせず、消費もしない。
最近,“躺平”成为中国最新流行语,意思就是躺着。懒懒地躺着,无欲无求,既不买房也不买车,不结婚,不消费。
最低限の生存レベルを維持し、他人の金儲けの道具や搾取される奴隷になることを拒絶する。それが「寝そべり」族。そのムーブメントが中国当局を不安にさせており、中国メディアが火消しに走っているという。
维持最低生存水平,拒绝成为他人赚钱的工具,拒绝成为被压榨的奴隶,这就是“躺平族”。这种变化让中国当局担忧,而中国媒体也正在积极引导,为这种社会风气降温。
仕事を減らし、誰も愛さず、自分の為だけに生きる
减少工作量,不爱任何人,只为自己而活
中国の若者の間に「ねそべり主義」が流行していると台湾紙「自由時報」は伝える。彼らは結婚せず、子供も持たず、マンションも車も買わず、起業もしない。なるべく仕事の時間を減らし、最低限の生活をする。そして誰も愛さず自分の為だけに生きる。
台湾报纸《自由时报》报道称,如今中国的年轻人流行“躺平主义”。他们不结婚、不生子、不买房、不买车、不创业。尽可能地减少工作时间,维持最低生存水平,而且也不爱任何人,只为自己而活。
あるネットユーザーが、「寝そべりは正義だ」という文章を発表し、寝そべりブームを起こした。作者はいまや「寝そべり学の先生」とされている。彼は文章で「2年も仕事をしていないが何も間違っているとは思わない。1日2食にすることで食料問題は解決した。消費は毎月200元以内に抑え、お金がなくなれば1年のうち1~2ヵ月仕事をする。ふだんは家で寝そべり、外で寝そべる。猫や犬のように寝そべっている」。
有网友发文称“躺平就是王道”,从此掀起躺平热潮。其作者如今被称为“躺平学教授”,他在文章中写道,“我已经2年没有工作了,但我并不觉得这样是错的。每日两餐解决吃饭问题,每月消费控制在200元以内,没钱了就一年工作一两个月。平时就是在家躺着,在外面躺着,就像猫狗一样躺着。”
「ずっと遊んでいることが間違っているとは思わない。ストレスは周囲の人と自分を比較することと昔からの伝統的観念からくるもので、それらはいつでもあらわれる。毎日のニュースは芸能人の恋愛や妊娠といった類のもので、まるで誰かがある考え方を皆に強制しているかのようだ。これまでは人の主体性を重視する考え方が存在しなかった。ならば私は自分で自分の考え方を作り出す。寝そべることは私の賢者の行動で、寝そべっているときだけが、人間が万物の尺度たりえるのだ」。
“我觉得长期玩乐没有错。压力来源于与周围人的比较和过去的传统观念,这些是长期存在的。每天的新闻都是明星恋情、怀孕等内容,简直像有人将他们的想法强加在我们身上。如今还没有哪种思想强调人类的主体性,那我只能创造我的思想。躺平是我们智者的行为,只有躺平时,人类才能成为万物的尺度。”
不平等感の深まりと生活コストの上昇
不公平感加剧与生活成本增加
フランスメディア「rfi」中文版によると、不平等感の深まりと生活コストの上昇で伝統的な成功目標が遥か遠く手の届かないものになってしまったため、一部の若者たちは最低限の仕事をするだけで、両親の世代のようなアグレッシブさをもたなくなってしまったのだと伝える。
法国媒体《rfi》中文版报道称,由于不公平感加剧与生活成本增加,传统成功目标变得遥不可及,因此部分年轻人仅从事最低水平的工作,不再像父母辈那样积极进取。
寝そべり主義は社会に対する憤りが多少含まれていたが、それは想像以上の共鳴を呼んだ。「寝そべり」についての説明はさまざまだ。立ち上がれない、しかし跪くこともしたくない、だから寝そべるしかない。生活コストが高すぎる、ストレスが多い、マンションも物価も高い、仕事は探せない、結婚して家庭をもつなどもってのほか。しかし、自分の人格と尊厳を捨てることはしたくない。だから残されたのは、寝そべって最低限の生存状態を維持すること。寝そべりは一種の無力感、一種の不屈さの表れである。
躺平主义或多或少带有一些对社会的愤慨,但却引发了超乎想象的共鸣。“躺平”的定义多种多样,站不起来,又不想跪,只好躺平。纵使生活成本太高、压力大,房价物价高,找不到工作、结婚组建家庭等,也不想放弃自己的人格和尊严,因此只能躺平维持最低生存水平。躺平是一种无奈,也是一种不屈的表现。
検査技師の王(24)は、4ヵ月の就職活動に疲れ果てた。「毎日就職サイトを見て履歴書を送っていたけれど、まるで大海に瓶を投げ入れるかのようだった」。彼は仕事を見つけたが、その経験は彼に辛い記憶を残した。同級生が親の会社に入ったという噂を聞いた時、彼は寝そべりという言葉に共感した。「社会に負けたから、ただもっと気楽な生活を送りたいだけだ。寝そべりは死を意味するのではない。仕事はする、ただ過度に頑張りすぎないだけだ」
经历四个月的求职后,24岁的实验室工程师小王已经筋疲力尽。“虽然每天都在看求职网站投简历,但就像大海捞针。”他虽然找到了工作,但这段经历还是给他留下了痛苦的回忆。当听说他同学进了父母的公司,他就对躺平这个词很有共鸣。“因为输给了社会,所以只想过更舒适的生活,躺平并不意味着死亡。我工作,我只是没有那么努力。”
同じく人事部で働く林(24)はこう「rfi」に語っている。「寝そべりが人々の心を掴んだ。若い世代は車やマンションを買い、結婚して家庭を持つという人生の勝者になるのは不可能だ。だから自分の目標を下げ、欲望を少なくすることを選ぶ」。自由業のルーシー(47)もこの考えに同意する。「もし基本的な生活に満足できるのなら、よりリラックスした方法で生活することはとてもいいことじゃないの?」
同样24岁在人事部门工作的小林对《rfi》这样说道,“躺平已经赢得了大家的心。年轻一代已经不可能成为买车买房、结婚成家的人生赢家了,因此选择降低自己的目标,减少欲望。”47岁的自由职业者露西也同意这种想法,“如果你对自己的基本生活感到满意,那么换一种更轻松的生活方式不也很好吗?”
当局を不安にさせる「寝そべり」の台頭
令当局感到担忧的“躺平”兴起
台湾紙「自由時報」によると、「寝そべり主義」は中国メディアの反撃を引き起こした。中国紙「南方日報」が「寝そべりは恥、どこからきた正義感なのか?」という文章を発表し、清華大学の李鋒亮副教授は「寝そべりは両親や納税者に申し訳ない」と論じた。共産 党青年団のウェイボーは「使命を貫き、国家を貫く。”寝そべり”はいらない」と呼びかける。
据台湾报纸《自由时报》报道,“躺平主义”引起了中国媒体的反击。中国报纸《南方日报》发表了名为“躺平可耻,哪来的正义感?”的文章,清华大学副教授李锋亮称,“躺平对不起父母和纳税人”。共青团微博呼吁,“不负使命,不负国家,拒绝躺平”。
経済学者の賀江兵は「ラジオ?フリー?アジア」のインタビューに答えて「消費者は経済発展を牽引する最も重要な要素です、若者がお金を持たず消費しないなら、経済を牽引できなくなります。もし仕事ををせず、投資もしないのなら経済発展に不利に働くでしょう」と指摘している。
经济学家贺江兵在接受“自由 亚洲之声”的采访时回答道,“消费者是推动经济发展最重要的因素,如果年轻人没有钱、不消费,就无法带动经济。如果不工作、不投资,就不利于经济发展”。