大手紳士服チェーンでおなじみの商法。業界関係者によると、閉店には3種類ある。廃業時の「完全閉店」、レイアウトを変更する「改装に伴う閉店」、季節の変わり目の「商品入れ替えのための閉店」で、どれも集客効果は絶大。売り上げ目標の達成に向け手っ取り早くさばける手段としても定着しているという。全店の約4割で行う大手もあり「やりだしたら止まらない麻薬みたいなもの」とか。そういえば、1年間に何度も「閉店」する店もあった。
消費者にはありがたいが、これって偽装表示や不当廉売にならない?公正取引委員会によると、原価割れなど格安での長期セールや、廃業と見まがうチラシやノボリなど警告の対象になるという。やはり”麻薬”なのだ。
(大久保資宏「閉店セール」2008年12月9日付け毎日新聞「憂楽帳」による)
1、「閉店セール」について述べた、次の四つの文のうち、本文の内容に最も近いものを一つ選びなさい。
①客を集める効果としては、季節ごとの「商品入れ替えのための閉店」が一番だ。
②売り上げ目標の達成の手段として定着している。
③大手紳士服チェーンでは、全店の約4%で行っている。
④麻薬みたいなものだから、筆者は一度も利用したことがない。
2、筆者が、「やはり”麻薬”なのだ」と言っている理由として、最も適当なものを一つ選びなさい。
①閉店を繰り返す会社の商法が、客の目を楽しませることができるから。
②閉店を繰り返す会社の商法が、取り締まりの対象になるから。
③閉店を繰り返す会社の商法が、客をだまして利益をあげることにつながるから。
④閉店を繰り返す会社の商法が、何度やっても利益を出すことができない意外な盲点があるから。
3、紳士服店を利用していた筆者の今の気持ちを最もよく表しているのはどれか。
①よく利用していた店がなくなるなんて悲しくてたまらない。
②おなじみの店がなくなると思って悲しんだのにだまされた気分だ。
③店の商法なんかにだまされるなんて惨めな気分だ。
④おなじみの店がまだ営業をやっていて嬉しくてたまらない。