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なぜぼくはここにいるのか27

时间: 2018-10-26    进入日语论坛
核心提示:  東京アレルギー 上京してから十五年になる。その前は神戸に四、五年住んでいた。十五年の東京生活だが、東京についてはほと
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   東京アレルギー
 
 上京してから十五年になる。その前は神戸に四、五年住んでいた。十五年の東京生活だが、東京についてはほとんど何も知らない。上京早々、東京タワーと宮城を見物したまま、その後これらの場所には一回も訪れていない。浅草にしても、池袋にしてもそうである。
 ここ四、五年にいたってはほとんど成城の仕事場中心で都心に出ることはない。ひと月に一度も都心に出ないことさえある。年々東京の人口や車が増加していくようで、とても人混みの中を歩くというようなことができなくなってしまった。このような大勢の人々の中に入ると、自分もこれらの人々と一緒にどこか恐しい場所に運ばれていくような気がして、自分が自分であろうとすることに全く不安と自信を喪失してしまうのである。
 神戸から上京した一九六〇年頃は現在の東京のように街が混雑しているようなことはなかったが、それでも人出の多い銀座や新宿が珍しく、暇つぶしによく人混みの中に入っていき、一日も早く東京の一部になるように努めていた。
 ところが最近はどうしたことか、えらい東京アレルギーになってしまい、一週間に一度は東京を離れなければならないような気分に襲われている。二年前からの計画で北海道から九州まで日本縦断旅行を始め、やっと先週富士山麓周辺を最後にこの長い旅行が終ったが、このくせがついてしまったのか、一ヵ月も東京にジッとしていると、今にも大地震が襲ってくるのではないか、あるいは光化学スモッグで命を落すのではないかと、東京に関しては常に暗いイメージを抱いてしまう。
 この間久振りで神戸に行ったが、この時の印象が東京に比較すると空気がとても明るいという感じを受けた。以前住んでいた青谷の辺りを車で走りながらとても懐しく思った。特に緑が青々とし、まだ自然が残っているという感慨に、外は冷い風があったが、つい車の窓を開け、冷い空気の中に頭をつき出した。
 そりゃ、ぼく達が住んでいた以前に比較すると格段の自然破壊による変容ぶりだが、現在の東京を思うと、何だかもう一度神戸に帰ってきてこちらで住んでみようかとさえ思う気になってきた。だからこの日東京に帰ってから早速神戸へ引越す話題を持ちだしたくらいだ。
 公害と地震の恐怖がなければ東京は素晴しい街かも知れないが、ぼくにとってこの二点が決定的な東京アレルギーの原因だけにどうにもならないのである。まあ明快な結論も出ないまま東京に住んでいることは、ぼく自身の矛盾をさらけ出しているようなもので、東京という巨大な肉体にまだまだ執着している結果なのかも知れない。
 高校まで山にかこまれた西脇に住んでいたぼくは、できるだけ大きな都会に移りたいという強い願望をいつも持っていた。加古川、神戸、大阪、東京と次第に大都会に仕事の場を変え、つい二年前までは東京よりもっと大きな都会、ニューヨークにさえ住む気になっていたので時間ができるとすぐニューヨークに出かけていたが、もうニューヨークにしても東京にしても世界の中心といわれる大都会には次第に興味がなくなりつつあるので、東京を離れて、再び神戸辺りに帰るのも時間の問題になってきているような気がしてならない。
 青春時代を送った神戸は特に懐しい場所ではあるが、それより、すぐ近くに山があり、海がある自然にめぐまれた土地ということが何より魅力的だと思う。もちろん、自然に恵まれた土地なら他にも多くあるが、あまり地方に行ってしまって仕事の注文が急にさっぱりなくなってしまうのも困るので、やはり神戸辺りがちょうどいいのではないかと考える。しかし先日、休日だったせいもあるが、三宮の地下街やセンター街のあの気違いじみた人混みは東京とちょっとも変っておらず、少々腹立たしくさえ感じてしまった。神戸も新しいビルや道路や人口が次々と増え、日に日に昔の面影をなくしつつあるが、もうこれ以上自然破壊はストップしてもらいたいと本当に心の底から念じたくなる。東京にはもう人間と自然のバランスはないが、神戸にはまだその望みは多少なりともあるように見える。
 街が発展することは必ずしも人間が幸せになるということではないことを、東京がすでに立証しているはずである。それよりも一日も早く人間と自然との関係をもっと密接にしていくことの方が本来の人間のありかたを発見する糸口になるはずである。いつまでも神戸が美しい街であるように心から願っている。
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