古くから、鮑は真珠が取れる貝というだけでなく、特別な貝だったようです。
秦の始皇帝が、不老不死の薬として、鮑を求めたという伝説さえあります。
また、お祝いには、のし鮑を献上した習慣から、今も残る祝儀袋の熨斗(のし)ができたのだそうです。
鮑は本当は巻貝ですが、二枚貝の片割れのように思われていて、そこから、片思いのことを鮑にたとえることもあります。「磯(いそ)の鮑の片思い」・・・・・・こういわれるようになりました。
「忘れ貝」とも呼ばれ、つらい恋を忘れさせてくれる貝でもあります。
片思いも、つらい恋も、心の中に真珠を作ってくれるのですね。それは、永遠の憧れを秘めて、より美しく輝くことでしょう。