介護保険制度の見直しが議論されているなか、介護事業を行っている全国の生協が加盟する日本生活協同組合連合会が、調理や掃除などを支援するサービス「生活援助」について調べたところ、利用者の状態の維持や改善に効果があるという結果がまとまり、生協連は「生活援助を介護保険から外すべきではない」と話しています。
この調査は、生協連が、東京や大阪など6つの地域のあわせて1100人余りを対象に、介護が必要な度合いを示す「要介護度」の変化を3年間にわたって調べたものです。その結果、「現状維持」と「改善」の合計は、▽掃除や調理などの家事をホームヘルパーが支援する「生活援助」の利用者では80%、また、▽生活援助が中心の「予防訪問」の利用者では76%だったということです。これに対して、デイサービスや身体介護を含めたサービス全体では64%にとどまったということです。生活援助のサービスをめぐっては、現在、厚生労働省の審議会で見直しが議論されていますが、日本生活協同組合連合会の山際淳福祉事業推進部長は「生活援助は介護度の維持や改善に効果があり、利用者の心身の変化に合わせて適切にケアするという高い専門性が必要なので、介護保険から外すべきではない」と話しています。