中国の上海で15日、高齢者が多く住む高層マンションが全焼した火災は、これまでの死者が42人に上っており、市民からは、消火や救出に時間がかかったことが被害を大きくしたとして、市当局の対応を批判する声も上がっています。
この火災は、上海で15日午後、元教師など多くの高齢者が住む28階建ての高層マンションが全焼したものです。この火災で、これまでに住民ら42人の死亡が確認されたほか、およそ100人がけがをして病院で手当てを受けました。現場は、商業施設やマンションなど高層ビルが数多く建ち並ぶ上海市内の中心部で、仕事帰りの大勢の市民が不安そうに消火活動の行方を見守っていました。近くの住民の1人は「上海でこんなに大きな火事を見たのは初めてでとても怖かった。消火のスピードが遅すぎる」などと話していました。火が出たとき、マンションでは、外壁を改修する工事が行われていたということで、警察と消防では、出火原因との関連について調べています。今回の火災では、80台を超える消防車が消火に当たりましたが、火の回りが早く、火が消えるまでおよそ6時間もかかるなど、消火活動が難航しました。また、火の勢いが強くてはしご車やヘリコプターが近づけず、助けを求める人の救出も思うように進まなかったことから、市民からは、上海市当局の対応のまずさが被害を大きくしたとして、批判する声も上がっています。