コレラの感染が拡大するカリブ海の島国、ハイチでは18日、北部に続いて首都ポルトープランスでも、国連やハイチ政府に対する抗議デモが起き、国連は、治安の悪化で医療支援活動が妨げられ、コレラの感染がさらに深刻化すると懸念を強めています。
コレラの感染が広がり、1100人を超える死者が出ているハイチで18日、首都ポルトープランスにある保健省の前や貧困地区などで、それぞれ100人を超える住民が抗議デモを行いました。住民らは「ハイチ政府や国連は十分なコレラ対策をしていない」などと主張し、このうちの一部は、平和維持活動に当たっている国連の部隊の車両に向かって石を投げたり道路でタイヤを燃やしたりするなど、暴徒化しました。現地の国連のスポークスマンによりますと、今のところ双方にけが人などは出ていないということです。ハイチでは、15日以降、北部の複数の町で「コレラ菌は国連の部隊によって持ち込まれた」などとして、一部の住民が国連のPKO部隊の基地や支援物資の備蓄倉庫を襲撃したため、国連は、北部地域への物資の輸送などができない状態が続いています。ことし1月の大地震で大きな被害を受けたポルトープランスでも、コレラの感染が広がっており、国連や援助関係者は、今後、抗議デモが続き首都の治安が悪化すれば医療支援活動を妨げ、コレラ感染をめぐる状況は、さらに深刻化すると懸念を強めています。