コレラの感染の拡大が続くカリブ海の島国のハイチでは、感染者の数がさらに増えて2万人近くに上り、感染地域も国内のほとんどの県に広がるなど、一段と深刻な状況になっています。
ハイチ保健省が19日発表したところによりますと、コレラの感染による死者はこれまでに1186人となり、感染して病院などで手当てを受けた患者は2万人近くに上っています。また、感染地域も、国内に10ある県のうち8県へと広がっています。国際赤十字によりますと、首都ポルトープランスにある刑務所でも感染が広がり、これまでに10人が死亡したということです。数日前からは、北部を中心に、不安を募らせた住民が国連のPKO部隊と衝突するなど混乱も起きていましたが、国連では、一時停止していたこうした地域への医療支援を20日にも再開したいとしています。国連は国際社会に対して、コレラの治療や予防対策のために総額135億円の支援を求めていますが、現時点では4億円分しか集まっておらず、各国にいっそうの協力を呼びかけています。