冬場に多いノロウイルスなどによる感染性胃腸炎が全国的な流行となる兆しを見せ、国立感染症研究所は、手洗いなど予防策の徹底を呼びかけています。
国立感染症研究所によりますと、全国およそ3000の小児科から報告される感染性胃腸炎の患者は、先月下旬から増え始め、今月7日までの1週間では1施設当たり5.31人と、去年の同じ時期のおよそ2倍に上っています。この10年では平成18年に次いで多く、全国的な流行となる兆しを見せています。都道府県別では、山形県で19.8人、大分県で19.14人、新潟県で11.52人など、5つの県で1施設当たり10人を超えたのをはじめ、ほとんどの地域で前の週より増えていました。患者の年齢別では0歳から3歳までの乳幼児が半数を占めています。この時期の感染性胃腸炎の大半はノロウイルスが原因で、激しい下痢やおう吐を繰り返し、乳幼児やお年寄りでは脱水症状が進んで重症化することもあります。国立感染症研究所の安井良則主任研究官は「去年は、ほとんど流行しなかったため、免疫がついていない子どもが多く、今後、急激に流行が広がるおそれがある。特に乳幼児や高齢者の多い施設では、吐いたものの適切な処理や消毒、それに手洗いなど感染予防策を徹底してほしい」と話しています。