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灰色巨人-高个儿杂技师

时间: 2021-11-28    进入日语论坛
核心提示:サーカスの道化師 そのあくる日の午後、小林団長は、ゆうべの少年たちのほかに、たくさんの団員をさそって、そうぜい二十人の少
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サーカスの道化師


 そのあくる日の午後、小林団長は、ゆうべの少年たちのほかに、たくさんの団員をさそって、そうぜい二十人の少年探偵団員が、そのサーカスを見物することになりました。そして、二十人の四十の目でサーカスを監視し、もし、あやしいことがあったら、すぐに、明智先生に電話をかけて、応援してもらうつもりなのです。
 サーカスの大テントの中では、二とうのゾウの曲芸がすんだところで、つぎには「馬にのる十人の女王さま」という、だしものがあるのですが、いまは、そのあいだのつなぎの場面で、場内中央のひろい砂場に、へんてこな道化ものの巨人が、あらわれていました。
 そのひろい砂場を、ぐるっととりまいて、うしろほど高くなった、まんいんの見物せき。その見物せきのまん中に、中学の制服制帽の少年が二十人、ずらっと二れつにならんで見物していました。まるで野球の応援団みたいです。いうまでもなく、これは、少年探偵団の少年たちでした。
 中央の砂場のぶたいには、おそろしく大きな人間が、のそのそと歩いていました。ふつうのおとなの三倍もあるような巨人です。その巨人は、そでのない、つりがねのようなかたちの、灰色のマントをきていました。そのマントの長さが、四メートルほどもあるのです。
 マントの上からのぞいている顔は、ふつうのおとなの顔ですが、からだが、そんなに大きいものですから、顔がばかに小さく見えます。その顔は、おしろいを、まっ白にぬって、ほおに赤いまるのかいてある、あの道化師の顔です。頭には赤と白の、だんだらぞめの、とんがり帽をかぶっています。
 マントの長さが四メートルですから、その巨人のせいのたかさは、五メートル以上です。そんな大きな人間が、いるはずはありません。
「あれは、きっと三人なんだよ。ひとりの肩の上に、もうひとりがのって、その上に、またもうひとりのっているんだ。そして、マントで、かくしているんだよ。」
 少年探偵団のひとりが、おかしそうに、となりの少年に、ささやきました。
「でも、あのマント、灰色だねえ。おい、灰色の巨人だぜ、あいつ……。」
 べつの少年が、じょうだんをいいました。あの悪人の灰色の巨人が、こんなところにいるはずはありません。これは道化師たちのインチキ巨人です。しかし、「灰色の巨人」ということばを聞くと、少年たちは、ハッとしたように、顔を見あわせました。そうではないと思っていても、なんとなく、きみがわるくなったのです。
 そのとき、見物せきに、おそろしい笑い声が、おこりました。そして、大テントを、ゆるがすばかりの拍手です。
 巨人が、灰色のマントをひるがえして、クルッとひっくりかえったのです。すると、いままでひとりだった巨人が、三人になりました。大中小の三人の、こっけいな道化師になってしまいました。
 みんな、とんがり帽をかぶっています。顔を、まっ白にぬって、ほおに赤い丸がかいてあります。着物も赤と白のだんだらぞめの道化服です。その三人が、せいのじゅんにならんで、見物せきにむかっておじぎをしているのです。
 右がわの道化師は、せいのたかさ一メートルほどの一寸法師です。まん中は、ふつうのおとなです。左がわに立っているのは、すもうとりのような大男です。その大男のせいのたかさは、一寸法師と、まん中の道化師とを、合わせたほどもあります。巨人が三人にわかれましたが、その中のひとりは、やっぱり巨人だったのです。その大中小の三人が、おそろいの道化服で、おじぎをしているようすは、思わず、笑いだすほどおかしいのでした。
「ねえ、小林さん、やっぱり巨人がいるよ。小林さんが、隅田川で出あったやつ、あいつじゃなかったの?」
 ひとりの少年が、小林団長に、ささやきました。
「まだわからない。あんなに、おしろいをぬってちゃあ、見わけられないよ。あとでおしろいをおとした顔を、見てやろう。ひょっとしたら、あいつかもしれないからね。」
「でも、むこうでも、小林さんに気づきやしないかしら?」
「気づくかもしれない。しかし、だいじょうぶだよ。まさかサーカスから、にげだしゃしないよ。もしにげだせば、すぐに、あいつと、わかってしまうからね。」
「それに一寸法師もいるんだぜ。巨人と一寸法師が、ちゃんとそろっているんだぜ。へんだな。ぼくなんだかきみがわるくなってきた。」
「うん、もし、悪人が、道化師にばけているとしたらね。でも、まだわからないよ。もうすこし、見ていよう。あやしいことがあれば、すぐに、明智先生に電話をかければいいんだからね。」
 また、見物せきに、「わあっ。」という声がおこり、拍手がなりひびきました。
 砂場のぶたいでは、大中小三人の道化師が、クルクル、クルクルと、車のように、とんぼがえりをうって、アクロバット(かるわざ)を、やっていたのです。すもうとりのような大男も、みかけによらぬアクロバットの名人で、みごとに、ひっくりかえっています。
 アクロバットがおわると、三人の道化師は、見物せきにむかって、もう一度、ていねいなおじぎをして、サアッと、とぶように、がくや口へひっこんでいきました。

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