振り返り、振り返り歩いて行った
うすあおい夜明け前の通りを
青でも蒼でもない
あおい色に染まりながら
いま 形あるものは みな
旅立つ支度を始めているというのに
きみはまだ
どこか深い記憶の森の中で
遠い日のくちづけを探しあぐねている
勇気とか
覚悟とか
堅苦しい文字は置いて
ふらりと歩いて行くがいい
大地と海と空を結ぶ
そのまん中に きみがいる
自分の歩幅で歩いてごらん
これは きみの人生なんだよ
きみが生まれてきた時に
てのひらに握りしめてきたものを
探してみるのもいいだろう
だから、きみの居場所は空けておくよ
ちゃんと、父さんと母さんのまん中に
いつか おとなになるきみに
まっ白な地図を渡すから
どこまでもどこまでも歩いて行って
一周したら 帰っておいで