返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 小川未明童話集 » 正文

海が呼んだ話(2)

时间: 2022-09-01    进入日语论坛
核心提示:二 ある日ひのこと、清吉せいきちのお父とうさんは、勇ゆうちゃんの叔父おじさんが、海うみの生活せいかつをやめて、こちらへく
(单词翻译:双击或拖选)
 


 あるのこと、清吉せいきちのおとうさんは、ゆうちゃんの叔父おじさんが、うみ生活せいかつをやめて、こちらへくるようになったわけを、ほかからいてきたのであります。
清吉せいきち、こんなはなしは、あまりひとにするでないぞ。おとうさんが、あるところでいてきたのだからな。」
おそろしいはなし?」
せいちゃん、だまって、いていらっしゃい。」と、そばから、ねえさんがいいました。
「あるのこと、沖合おきあいで、汽船きせん衝突しょうとつして、一そうはしずみ、ついに行方不明ゆくえふめいのものが、八にんあったそうだ。あのひとは、うみへくぐる名人めいじんだってな。それで、たぶんそのふねといっしょにしずんでしまったのだろうから、なかはいって、死骸しがいをさがしてくれとたのまれたのだ。」
「あのおじさん、はいったのかい。」
「だれも、そこふかいし、気味悪きみわるがって、いい返事へんじをしたものがないのを、あのひとは、一人ひとりはいったのだ。」
「えらいなあ。」
「えらいとも。」
「いいから、せいちゃん、だまっていていらっしゃい。」と、おねえさんが、またいいました。
「あのひとは、りていって、船室せんしつうちはいって、さがしたそうだ。けれど、一人ひとり死体したいつからない。おかしいなとおもったが、がってそのことを報告ほうこくした。すると、いやそんなはずはない。ふねといっしょにしずんだのだから、船室せんしつうちにいるに相違そういないというので、あのひとは、またうみそこへもぐったのだ。」
おそろしいなあ、おじさん、気味きみわるくなかったろうか。」
つかったんですか。」と、いっしょに、おとうさんのはなしいていらしたおかあさんが、いいました。
「また、船室せんしつはいって、すみからすみまで、懐中かいちゅうランプでらして、さがしたけれど、やはり一人ひとり死体したいつからない。まったくおかしなことがあるものだとおもって、あきらめてようとしたとたん、ちょっとうえると、八にん死体したいが、ぴったりとてんじょうについて、じっと自分じぶんほう見下みおろしていた。このときばかりは、さすがに、あのひともぎょっとして、もうすこしでうしろへひっくりかえりそうになった。それから、潜水業せんすいぎょうというものが、いやになって、おからしたいというこったというはなしなんだよ。」
 おとうさんのはなしは、わりました。
 いていたおかあさんも、おねえさんも、清吉せいきちも、
「そうだったでしょうね。」と、そのときの、おじさんの気持きもちに、同情どうじょうされたのでありました。
 清吉せいきちは、このことを、おじさんのみせあそびにいっても、けっして、くちにはしなかった。おじさんが、そのときのことをおもすとわるいとおもったからです。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG:
[查看全部]  相关评论