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あらしの前の木と鳥の会話(4)

时间: 2022-09-19    进入日语论坛
核心提示:四 子供こどもは、いちばん、街まちの中なかのにぎやかなところにきかかりました。 彼かれは、小ちいさな手てに持もっている胡
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四


 子供こどもは、いちばん、街まちの中なかのにぎやかなところにきかかりました。
 彼かれは、小ちいさな手てに持もっている胡弓こきゅうを弾ひいて、風かぜから習ならった、悲かなしげな唄うたをうたいはじめました。すると、通とおる人々ひとびとは、みんな不思議ふしぎな顔かおつきをして、子供こどもを見送みおくりました。
 そこには、きれいなカフェーがありました。多おおくの若わかい女おんなが、顔かおに、真まっ白しろに白粉おしろいを塗ぬって、唇くちびるには、真まっ赤かに、紅べにをつけていました。そこで、やはり、その女おんなたちも、いい声こえで、唄うたをうたっていましたが、子供こどもが、風かぜから習ならった、悲かなしい唄うたをうたってきかかりますと、みんなが黙だまってしまいました。
 子供こどもは、カフェーをのぞきました。ここなら唄うたをうたったら、お銭あしをくれるであろうと思おもったからです。円まるいテーブルが幾いくつもおいてありました。その一つのテーブルに、男おとこが、酒さけに酔よっていい気持きもちでいました。対むかい合あって腰こしをかけている、白粉おしろいを塗ぬった女おんなも、すこしは酔よっていました。テーブルの上うえには、ビールのびんが、港みなとの船ふねのほばしらのように並ならんでいます。男おとこは、ガブ、ガブ、みんなそれを飲のんだものと思おもわれました。
 女おんなの声こえで、なにかいったようですが、それは子供こどもの耳みみに、よく入はいりませんでした。それよりも、子供こどもは、二人ふたりが、酒さけを飲のんでいる、すぐそばに、かやの若木わかぎが、鉢はちに植うわって、しかもその根ねが、真まっ白しろに乾かわいているのを見みました。
 ビールを、ガブ、ガブ、飲のむかわりに、一杯ぱいの水みずを、かやの根ねもとにやればいいのにと、子供こどもは、思おもったのです。
「この木きに、水みずをやらんと枯かれてしまうよ。」と、子供こどもはいいました。
 すると、酒さけに酔よっている男おとこは、怒おこりました。
「なに、いらんことをいうのだ。さっさといってしまえ!」といって、小ちいさなコップに残のこっていた、ウイスキーを子供こどもの顔かおに、かけました。子供こどもは、目めから、火ひが出でたかと思おもいました。
 子供こどもは、その日ひの暮くれ方がた、涙なみだぐんだ目めつきをして、ふもとの林はやしの中なかへ帰かえってきました。小舎こやの中なかには、父親ちちおやが待まっていました。
 子供こどもは、この日ひ、街まちで見みてきたいっさいを父親ちちおやに向むかって話はなしました。
 古ふるい大おおきなひのきの木きは身震みぶるいをしました。
「いま、子供こどものいったことを聞きいたか。」と、年としとった大おおたかに向むかっていいました。
「人間にんげんは、すこしいい気きになりすぎている! ちっと怖おそろしいめにあわせてやれ。」と、たかは、怒いかりに燃もえました。
「俺おれたちは、今夜こんや、あらしを呼よんで、街まちを襲撃しゅうげきしよう。」と、ひのきの木きは、どなりました。
「私わたしたちの力ちからで、ひとたまりもなく、人間にんげんの街まちをもみくだいてやろう。」と、たかは叫さけびました。
 たかは、黒雲くろくもに、伝令でんれいすべく、夕闇ゆうやみの空そらに翔かけ上のぼりました。古ふるいひのきは雨あめと風かぜを呼よぶためにあらゆる大おおきな枝えだ、小ちいさな枝えだを、落日後らくじつごの空そらにざわつきたてたのであります。
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