返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 小川未明童話集 » 正文

子供の時分の話(1)

时间: 2022-11-01    进入日语论坛
核心提示:子供の時分の話小川未明あめ売うりの吹ふく、チャルメラの声こえを聞きくと、子供こどもの時分じぶんのことを思おもい、按摩あん
(单词翻译:双击或拖选)

子供の時分の話

小川未明


あめ売うりの吹ふく、チャルメラの声こえを聞きくと、子供こどもの時分じぶんのことを思おもい、按摩あんまの笛ふえの音ねを聞きくと、その人ひとは涙なみだぐみました。その話はなしを聞きかせた人ひとは旅たびの人ひとです。そして、その不思議ふしぎな話はなしというのはつぎのような物語ものがたりです。
*   *   *   *   *
町まちからすこしばかり離はなれた、小ちいさなさびしい村むらでありました。村むらには昔むかしの城跡しろあとがありました。ちょうど私わたしと同おなじい七つ、八つばかりの子供こどもが、毎日まいにち五、六人にんも寄より集あつまって鬼事おにごっこをしたり、こまをまわしたりして遊あそんでいました。
ずっと以前いぜんから、この村むらに一人ひとりのあめ売うりじいさんが入はいってきました。チャルメラを吹ふいて、小ちいさな屋台やたいをかついで町まちの方ほうからやってきました。子供こどもらはみんな、このおじいさんの顔かおをよく知しっていました。
私わたしは、昼寝ひるねをしている時分じぶんに、夢ゆめの中なかでこのチャルメラの声こえを聞きいたこともあります。また外そとに遊あそんでいる時分じぶんに、かなたの往来おうらいにあたって聞きいたこともあります。
木きの葉はが風かぜに光ひかっていたり、とんぼが飛とんでいるのを見みるよりほかに、変化へんかのない景色けしきは物憂ものうく、単調たんちょうでありましたから、たまたまあめ売うりの笛ふえの音ねを聞きくと、楽たのしいものでも見みつかったように、その方ほうへ駆かけていったものです。
このあめ売うりじいさんは、城跡しろあとの入いり口ぐちのところに、いつも屋台やたいを下おろしました。そして、村むらじゅうの子供こどもを呼よび寄よせるように、遠方えんぽうを望のぞんで、チャルメラを吹ふき鳴ならしました。じいさんは、もういい年としであったとみえて、目めのしょぼしょぼとした小こじわのたくさんな顔かおが日ひに焼やけて、黒くろい色いろをしていました。
けれど、私わたしは、またこんな無愛想ぶあいそうなじいさんを見みたことがありません。多おおくの子供こどもが、こうしてなつかしそうに、慕したわしそうにそのそばへ寄よってきましても、つい一度どとして笑わらった顔かおも見みせなければ、戯談じょうだんをいって喜よろこばせてくれたこともなかったのです。
こうして、そこに二、三十分ぷんも屋台やたいを下おろして休やすんでいますが、もうあめを買かってくれる子供こどもがいよいよないとわかると、じいさんは黙だまって屋台やたいをかついで、お城しろの中なかを通とおって、かなたの村むらの方ほうへといってしまいます。私わたしは、いつもさびしそうにして、おじいさんの消きえてゆく姿すがたを見送みおくりました。
昔むかしからある、城しろの門もんの四角かくな大おおきい礎石そせきは、日ひの光ひかりを浴あびて白しろく乾かわいていました。草くさは土手どての上うえにしげっていました。そして、小鳥ことりは四辺あたりの木々きぎのこずえに止とまってないていました。北きたの方ほうから、悲かなしい風かぜが吹ふいてきて、ほおをなでたのであります。
「さあ、家うちの方ほうへ帰かえろうよ。」と、友ともだちの一人ひとりがいいますと、
「ああ、帰かえろう。」と、みんながいって、家うちのある方ほうへと帰かえっていきました。
「君きみ、河かわへ泳およぎにいこうか。」と、中なかの一人ひとりがいいますと、
「ああ、泳およぎにいこう。」と、あるものは同意どういしましたけれども、また、あるものは、
「僕ぼく、河かわへいくとお母かあさんにしかられるから、いやだ。」と、ゆくのを拒こばんだものもあります。
「弱虫よわむしだなあ、じゃ、僕ぼくらだけ泳およぎにいこうよ。弱虫よわむしなんかこなくてもいいや。」と、二、三人にんが、一つになって途中とちゅうから別わかれて、田舎道いなかみちを歩あるいて河かわのある方ほうへといったのであります。
私わたしは、いつもその弱虫よわむしの中なかに入はいっていました。私わたしの祖母そぼや母親ははおやが、河かわへいくことを危あぶないといってきびしくしかったからです。そして、私わたしはいつも弱虫よわむしの仲間なかまに入はいって、家うちの方ほうへと帰かえっていきました。
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: