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白い雲(4)

时间: 2022-11-14    进入日语论坛
核心提示:四敏としちゃんの大おおきな磁石じしゃくは、ラジオ屋やのおじさんから、電気でんきをかけてもらって、ばかに力ちからが強つよく
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四

敏としちゃんの大おおきな磁石じしゃくは、ラジオ屋やのおじさんから、電気でんきをかけてもらって、ばかに力ちからが強つよくなりました。
学校がっこうの帰かえりに、往来おうらいの上うえで、義よっちゃんや武たけちゃんは、敏としちゃんをはさんで、敏としちゃんの大おおきな磁石じしゃくに自分じぶんたちの小ちいさな磁石じしゃくを押おしつけて、電力でんりょくを分わけてもらっていたのです。
「いいんだねえ、敏としちゃん、すこしばかり分わけてもらっても、敏としちゃんのほうは、ずっと強つよいんだものね。」と、武たけちゃんが、気きがねをしながらいいました。
「僕ぼくも、ラジオ屋やのおじさんにお願ねがいして強つよくしてもらおうかな。」と、義よっちゃんがいいました。
「いいよ、僕ぼくのは、赤あかいところがはげているのだから、どうせ使つかわなくても、ひとりでに電気でんきがなくなるのだもの。」と、敏としちゃんは、今度こんど、お母かあさんに、赤あかいところのはっきりとした、新あたらしい磁石じしゃくを買かってもらうことを頭あたまに描えがいていました。そこへ、同おなじ組くみの西山にしやまがきかかりました。
「君きみ、それよりか、鉱石こうせきを取とりにいかない? そのほうが、よほどおもしろいぜ。磁鉄鉱じてつこうも、黄銅鉱おうどうこうも、金きんもあるのだよ。」と、郊外こうがいの方ほうから通学つうがくする西山にしやまが、いいました。
「ほんとうかい、どこに?」と、義よっちゃんと、敏としちゃんは、磁石じしゃくのことを忘わすれたように、目めを輝かがやかしました。
「いま、河かわの工事こうじをして、割わった石塊せきかいがたくさんあるのだ。さがせば、いろんな石いしが見みつかるよ。金きんは、紫色むらさきいろをしているだろう。ちか、ちか光ひかる黄銅鉱おうどうこうと、それに、方解石ほうかいせきが、いちばん多おおい。方解石ほうかいせきは、たくさんあるよ。」
それでなくてさえ、みんなは、なにか珍めずらしい、愉快ゆかいなことはないかと思おもっていた矢先やさきですから、それをきくと、飛とび立たつばかりにうれしかったのです。西山にしやまを往来おうらいに待またしておいて、かばんを家うちへ投なげ込こむと、すぐに、敏としちゃんも、武たけちゃんも、義よっちゃんも、駆かけ出だしてきました。その姿すがたを見みつけると、
「私わたしたちも、つれていってね。」
原はらっぱに遊あそんでいた、かつ子こさんと、よし子こさんが、みんなの後あとを追おってきました。彼かれらは、電車道でんしゃみちを横切よこぎって、緑みどりの樹きがたくさん目めに入はいる、静しずかな、せみの鳴なき声ごえのする、涼すずしい道みちを急いそいだのであります。
西山にしやまは、一同どうを野中のなかの河普請場かわぶしんばへ案内あんないしました。工事こうじはなかなかの大仕掛おおじかけでした。河水かすいをふさいで、工夫こうふたちは、河底かわぞこをさらっていました。細ほそいレールが、岸きしに添そって、長ながく、長ながくつづいています。その行方ゆくえは光ひかった草くさの葉はの中なかに没ぼっしていました。工事場こうじばの付近ふきんには、石いしの破片はへんや、小砂利こじゃりや、材木ざいもくなどが積つんでありました。また、ほかの工夫こうふたちは、重おもい鉄槌てっついで、材木ざいもくを川かわの中なかへ打うち込こんでいます。太ふとい繩なわで、鉄槌てっついを引ひき上あげて、打うち落おとすたびに、トーン、トーンというめり込こむような響ひびきが、あたりの空気くうきを震動しんどうして、遠とおくへ木霊こだましていました。ときどき、思おもい出だしたように、ゴーッ、ゴーッと叫さけびを上あげて、トロッコが幾台いくだいとなくつづいて、小石こいしを満載まんさいしてきました。これを工事場こうじばへ開あけると、ふたたび、あちらへ引ひき返かえしていくのでした。
「あっちに、まだ割わった石いしがたくさん積つんであるのだよ。」
西山にしやまは、先頭せんとうに立たって、草原そうげんの方ほうへ突進とっしんしました。なるほど、トロッコの通とおるレールから、そう離はなれていないが、工事場こうじばからはかなり距へだたった草原そうげんの中なかに、石いしの破片はへんが、白しろい小山こやまのごとく積つみ重かさねてありました。知しらない子供こどもが二、三人にん、先さきにいって、熱心ねっしんに一つ、一つ、石いしをより分わけている姿すがたが見みえたのです。
「石いしを取とってもしかられない?」と、敏としちゃんが、ききました。
「この大おおきいのは、一つだって重おもくて持もってはいかれないさ。ちっとばかり、欠かく分ぶんなら、かまわないだろう。」と、西山にしやまが、答こたえました。
「しかられないかなあ。」と、義よっちゃんは、考かんがえながら、トロッコの通とおるたびに、線路せんろの方ほうを見みました。
「怒おこったら、逃にげればいいや。」
西山にしやまは、そういって、もう石いしの丘おかへ登のぼっていました。
「ほら、これが方解石ほうかいせきなんだぜ。」
白しろい石いしの破片はへんに、他たの色いろとまじって、ひときわ白しろく光沢こうたくを放はなち、塩しおなどの結晶けっしょうのように見みえるのです。方解石ほうかいせきだけは、割わっても、割わっても、四角形かくけいに割われる特徴とくちょうを有ゆうしていました。
「ちょっと、水晶すいしょうみたいだね。」と、武たけちゃんが、いいました。知しらない子供こどもたちまで、西山にしやまのそばに寄よってきました。その子供こどもたちの手てにも、なにか石いしが握にぎられています。
「これ金きんでない?」と、その一人ひとりが、自分じぶんの持もっている、石いしの破片はへんを示しめしました。
「どれ、そいつは磁鉄鉱じてっこうらしいな。金きんは、もっとうす紫色むらさきいろを帯おびているよ。」と、西山にしやまが、いいました。
「この、ちかちか光ひかるところだけは、銅どうなんだろう?」と、義よっちゃんが、のぞきました。
「そうらしい。」
「僕ぼく、方解石ほうかいせきを見みつけた!」
見みると、敏としちゃんは、石いしで、石いしを打うって、その部分ぶぶんだけを取とろうとしています。
「君きみ、方解石ほうかいせきって、どんなの?」
知しらない子供こどもの一人ひとりが、よく知しろうとして、敏としちゃんにききました。
敏としちゃんが、教おしえていると、ちょうど、ゴーッ、ゴーッと風かぜを切きって、レールの上うえを走はしってくる、トロッコの音おとがしました。
「おい、がきども、いたずらするなあ。」と、そのトロッコは、通とおり過すぎるときに、わめいてゆきました。
二人ふたりの労働者ろうどうしゃが、空からのトロッコに乗のっていました。元気げんきのいい若者わかものでした。後あとからも、後あとからも、いくつかのトロッコはつづいてゆきましたが、中なかには、こちらを見みて、親したしげに笑わらっていく男おとこもありました。
「さっきの奴やつ、生意気なまいきだね。」といったのは、武たけちゃんです。
「もし、あいつが飛とんできたら、僕ぼくたち逃にげようか。」
「逃にげなくたっていいさ。」
「そうしたら、おもしろいな。なんで僕ぼくたち、捕つかまるもんか。」
「石いしを投なげてやろうや。」
「かっちゃんや、よし子こさんは、早はやくあっちへいっておいでよ。」と、義よっちゃんが、いいました。
「私わたし、つかまったら、あやまるわ。」と、よし子こさんが、いいました。
「いやよ。だって、私わたしたちなにもしないんでしょう、見みているだけですもの。」と、かつ子こさんが、いいました。
「それだから、女おんななんか、こなければいいんだ。」と、武たけちゃんが、怒おこりました。
「もう、いいよ。」
「それよりか、早はやく、いいのを見みつけようや。」
敏としちゃんは、真まっ赤かな顔かおをして、石いしを石いしに打うちつけていました。
しばらく、みんなが、石いしを割わるのに夢中むちゅうだったのです。
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