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小さな金色の翼(2)

时间: 2022-11-23    进入日语论坛
核心提示:不思議ふしぎなことに、小鳥ことりは、まったく元気げんきづいてしまいました。そして、もう一度ど、海うみを翔かけきって広々ひ
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不思議ふしぎなことに、小鳥ことりは、まったく元気げんきづいてしまいました。そして、もう一度ど、海うみを翔かけきって広々ひろびろとした野原のはらを見みいだして、自分じぶんらの仲間なかまに合がっしようと決心けっしんしました。
「さあ、飛とんでおゆき。」といって、娘むすめが空そらへ投なげ上あげてくれたのを機会きかいに、小鳥ことりは、この燈台とうだいや、花園はなぞののある島しまを後あとに、遠とおく、遠とおく海うみを下したに見みおろしながら、どこへとなく飛とんでゆきました。
ある日ひの夕方ゆうがた、小鳥ことりは、大おおきな林はやしの中なかで、みんなと出であいました。みんなは、どこへいってきたか? あのあらしのときはどうしたか? と、いろいろにたずねました。
みんなをひきいている親鳥おやどりは、むずかしい顔かおつきをして、「私わたしたちはどんなに心配しんぱいしていたかしれない。どこへいってきたのか、委くわしく話はなしなさい。」といいました。
小鳥ことりは、あらしに吹ふかれて、つい思おもわぬ方角ほうがくに飛とんでいって海うみの上うえへ出でてしまい、わずかに一つの大おおきな火ひを見みつけて、そこへ飛とんでいって、やっと、やさしい人間にんげんに救すくわれたということを物語ものがたりました。
この話はなしをきいていた鳥とりたちは、びっくりしました。またその話はなしのうちでも、やさしい人間にんげんに救すくわれたということが異様いように感かんじられたのでありました。
親鳥おやどりは、頭あたまを幾いくたびも傾かたむけながら、
「私わたしは、まだ、そういう燈火ともしびを見みたことがない。だいいちあらしの夜よに燈火ともしびのついているはずがない。やはりおまえの見みたのは、月つきだったろう。そして、花園はなぞのとか、やさしい人間にんげんに救すくわれたとかいうのは、きっとおまえが夢ゆめを見みたのにちがいない。人間にんげんほど怖おそろしいものが、この世界せかいにあろうか? 人間にんげんが、おまえを捕とらえたら、けっして助たすけてくれるものでない。また、あのすごいあらしの晩ばんに、おまえの翼つばさで海うみの上うえを飛とべるものでない。きっと、おまえは、どこかの森もりの中なかで夢ゆめを見みたのだ。」といいました。
みんなも、親鳥おやどりのいったことをほんとうに思おもいました。
それから、また、これらの渡わたり鳥どりの長ながい旅路たびじはつづけられました。
親鳥おやどりは、みんなにいましめていいました。
「おまえたちはけっして、はなればなれになってはいけません。いっしょに群むらがってゆくのです。高たかく、高たかく、空そらを翔かけてゆくのです。人間にんげんは怖おそろしいから、人間にんげんの目めにつかないように、捕とらえられないように気きをつけるのです。捕とらえられたら、殺ころされてしまいます。そして、晩方ばんがたは、早はやく、大おおきな林はやしの奥深おくふかくはいって眠ねむるのです。私わたしたち鳥とりは、夜よるになると目めがきかなくなるのだから、太陽たいようのあるうちに、林はやしを探さがさなければなりません。月つきの光ひかりを太陽たいようとまちがってはいけません。みんなが、私わたしのいうことをきかないと、このあいだみたいに、独ひとりだけどこへかいって怖おそろしいめをみなければなりません。それでも、無事ぶじに帰かえってこられたことは、まことにしあわせでした。みんなは、愉快ゆかいに幸福こうふくに、私わたしたちの旅たびをつづけなければなりません……。」といいました。
みんなは、なるほどと思おもって、親鳥おやどりのいうことを聞きいていました。
「それでも、無事ぶじでよかった。」
「もう、これから気きをつけなければならない。」と、鳥とりたちは口々くちぐちにいって、燈台とうだいのあった島しまの花園はなぞのから帰かえってきた鳥とりに向むかっていってきかせました。
哀あわれな小鳥ことりは、なんといってもみんなが信しんじてくれないのを悲かなしく思おもっていました。そして、彼かれはみんなとその後のちは、いっしょに旅たびをつづけました。けれど、彼かれは、あのすさまじいあらしの夜よのことを思おもうと身みぶるいがしました。また、燈火ともしびの光ひかりを見みたときのことを思おもうと胸むねが躍おどりました。そして、あの美うつくしかった花園はなぞのに眠ねむったこと、そして、また、やさしい娘むすめの手てに握にぎられて、温あたたかな息いきをかけてもらったことを思おもい出だすと、恍惚こうこつとせずにはいられませんでした。けっして、それは夢ゆめではなかったのです。この小鳥ことりだけは、おそらく終生しゅうせい、自分じぶんの経験けいけんしたことを思おもい出だして忘わすれなかったでありましょう。
――一九二四・一二作――
 
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