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つじうら売りのおばあさん(2)

时间: 2022-11-26    进入日语论坛
核心提示:そういわれたので、達夫たつおくんは顔かおが赤あかくなりました。なぜなら、日ひごろから自分じぶんは強つよいのだと自信じしん
(单词翻译:双击或拖选)
 
そういわれたので、達夫たつおくんは顔かおが赤あかくなりました。なぜなら、日ひごろから自分じぶんは強つよいのだと自信じしんしているだけに、いまさらはずかしくもできないなどと、弱音よわねをはきたくはなかったからでした。
「達夫たつおさん一人ひとりでは、かわいそうだわ。」と、かね子こさんがいいました。
「じゃ、かね子こさんもいっしょにおいきよ。」と、だれかがからかいました。
「私わたし、こわいわ。」と、かね子こさんは身みぶるいしました。
ちょうど、このとき、風かぜの音おとがして、そのあいまにとおくの方ほうで、「つじうら、つじうら。」という声こえがしました。
「ほら、きた!」と、みんなは恐おそろしさ半分はんぶん、おもしろさ半分はんぶんに、おどりあがりました。
「僕ぼく、いこうか?」と、達夫たつおくんは小ちいさい声こえで、かね子こさんにいうと、
「私わたしもいっしょにいくわ。」と、かね子こさんは、小ちいさい声こえで答こたえました。
「いいよ、僕ぼくひとりで。」と、達夫たつおくんは強つよくいいました。
「つじうら――つじうら。」
だんだんその声こえは近ちかくなって、もうまもなく、この家うちの前まえにきかかっていました。
「僕ぼく、つじうらを買かってくる!」と、ふいに達夫たつおくんは立たちあがりました。
「えらいなあ!」と、なかにはびっくりして、声こえをたてるものもあります。
達夫たつおくんは、さむい星ほしばれのした外そとに出でて、戸口とぐちに立たっていました。やがて、あわれな黒くろいかげがとぼとぼと雪道ゆきみちをちょうちんの火ひでたどってくると、もう恐おそろしいなどということを忘わすれて、
「おじいさん、つじうら……。」といって、おあしを出だしました。
あわれなかげは、立たちどまりました。暗くらいちょうちんの火ひは、わずかに、しなびた手てをてらしだしました。
「おじいさんではありません、おばあさんですよ。坊ぼっちゃん、さむいからかぜをひかぬようになさい。」
そういって、そのあわれなかげは、またとぼとぼといってしまいました。
達夫たつおくんは、目めの中なかにあついなみだのわくのをおぼえました。そしてしばらくそのうしろすがたを見みおくっていると、
「つじうら――つじうら。」と、そのおばあさんの声こえがたよりなく風かぜに消きえていきました。
このとき、にぎやかな家うちの中なかから、
「達夫たつおさん。」「達夫たつおさん。」と、みんなが自分じぶんの名なをよんでいるのがきこえました。
 
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