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花と人の話(2)

时间: 2022-12-05    进入日语论坛
核心提示:それでも大学生だいがくせいは、アネモネを大事だいじそうに、机つくえの上うえにのせておきました。大学生だいがくせいは、夜よ
(单词翻译:双击或拖选)
 
それでも大学生だいがくせいは、アネモネを大事だいじそうに、机つくえの上うえにのせておきました。
大学生だいがくせいは、夜よるおそくまで、机つくえの上うえに書物しょもつを開ひらいて勉強べんきょうをしました。そして、朝あさは起おきるのが遅おそかったのです。
アネモネは、午後ごごの西日にしびが障子しょうじの上うえを照てらすのを見みたばかりで、自身じしんは、日ひに照てらされることがありませんでした。
花はなは、あの花屋はなやの店先みせさきを、どんなに恋こいしく思おもったでしょう。
下宿屋げしゅくやの女中じょちゅうは、花はななどには無関心むかんしんでした。すこしの考かんがえもなくそうじなどをしましたから、赤あかいアネモネの花はなは、頭あたまからほこりを浴あびさせられました。
大学生だいがくせいは、はじめの二、三日にちは、花はなに気きをとられながら、ながめたり、水みずをくれたりしましたが、その後ごは、忘わすれてしまったように、水みずもくれませんでしたから、土つちは湿しめり気きがなくなって、花はなは枯かれかかったのです。
ある朝あさ、学生がくせいは、起おきて、ふと花はなをながめました。
「元気げんきがなくなったな。」と、学生がくせいは、独ひとり言ごとをしました。
ちょうどすこし前まえに、女中じょちゅうが朝飯あさめしのお湯ゆを持もってきたののです。
学生がくせいは、乱暴らんぼうにも、まだ冷ひえきらない、暖あたたかなお湯ゆを花はなにかけながら、
「だいじょうぶ枯かれはしまい。水みずを取とりにゆくのもめんどうだ。」
学生がくせいは、こういいました。
しかし、花はなはそのために、葉はがしおれてしまいました。そして、じきに枯かれてしまったのです。
甲こうの身みの上うえ、乙おつの身みの上うえを思おもって、最後さいごに残のこった丙へいのアネモネは、しばらくさびしい日ひを送おくっていました。
ある日ひ、十二、三になった男おとこの子こが、二人連ふたりづれでやってきました。
「これはなんという花はなだい。」
と、一人ひとりがいいました。
「アネモネの花はなだよ。」
と、もう一人ひとりが答こたえました。
「きれいな花はなだね。」
「これを買かっていこうか。」
アネモネは、もしこの子供こどもらに買かっていかれたら、どんな乱暴らんぼうのめにあうかもしれないと、びくびくしていました。
二人ふたりの子供こどもは、このアネモネを買かいました。そして、二人ふたりは、さも大事だいじそうにこのアネモネの鉢はちをかかえて、家いえへ帰かえりました。
子供こどもらは、いろいろの花はなが植うわっている庭にわへ持もっていきました。その庭にわは、たいそう日当ひあたりがよかった。ちょうもくれば、みつばちもやってきたのです。
子供こどもは、毎朝まいあさ起おきると、すぐに花はなのところへやってきました。
そして土つちが乾かわくと、水みずをくれました。学校がっこうから帰かえってくると、花はなを日ひのあたるところへ出だして、また、そこがかげると、ほかの場所ばしょへ移うつしてくれました。
花はなは、二人ふたりの子供こどもにかわいがられました。
花はなも、子供こどもがやさしいので、すっかり子供こどもが好すきになってしまいました。
そして、長ながい間あいだその庭にわで咲さいていました。
が、時節じせつがきた時分じぶんに、だんだん花はなは終おわりに近ちかづいて衰おとろえてゆきました。
「この根ねをしまっておいて、また来年らいねんの春はるになったら植うえて咲さかそうね。」
と、二人ふたりの子供こどもはいいました。
花はなは、どんなに、これを聞きいてうれしかったでしょう。来年らいねんの春はるも、また、そのつぎの年としの春はるも咲さいて、子供こどもと仲なかよくしようと思おもいました。
花はなが終おわったとき、子供こどもらは、その根ねを乾ほしてから、これを袋ふくろの中なかへ入いれて、その上うえに「アネモネ」と書かいて、しまっておきました。
 
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