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古いてさげかご_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:古いてさげかご小川未明ずっと前まえには、ちょっと旅行りょこうするのにも、バスケットを下さげてゆくというふうで、流行りゅう
(单词翻译:双击或拖选)
 
ふたりは、小ちいさな声こえで話はなしをしていたが、ついに、かごの中なかの鳥とりに向むかって、話はなしかけたのです。
「どうして、人間にんげんなどに捕とらえられたんですか?」
「みんなそう思おもうでしょう。あなたがただって、もうすこしここにいてごらんなさい、いつか私わたしのようになってしまいます。私わたしはもう、このかごの中なかに、二年ねんもいます。しばらく仲間なかまの声こえを聞きかなかったのに、今日きょうめずらしくあなたがたの声こえを聞きいて、自分じぶんも、つい大おおきな声こえを出だして、お呼よびもうしたのです。」と、かごの鳥とりは、答こたえました。
「しかし、人間にんげんは、あなたを大事だいじにしているようじゃありませんか。」
「それは、餌えさや、水みずには、気きをつけてくれます。ときどきは、青あおい菜ななどをいれてくれます。しかし、自分じぶんで、ほしいものを気きままに、探さがすという喜よろこびもなければ、また、自由じゆうというものもありません。あのように、空そらを飛とんだ、私わたしの翼つばさは、もう飛とぶ用ようがなくなってしまいました。」
「気きままに飛とんでいる私わたしたちには、自由じゆうのありがたみが、ほんとうにわかりませんが、こちらは、いろいろの花はながあり、それに、暖あたたかで、いいところではありませんか。」
「いいえ、あの風かぜの寒さむい、空そらの青あおい、北きたのふるさとが、いちばんいいところです。人間にんげんは、器械きかいを持もっています。それを使つかって、飛とんでいる鳥とりをうつこともできれば、また、巧たくみな方法ほうほうで生擒いけどりにすることもできます。あなたがたも、はやく、見みつからないうちに、お帰かえりなさい。」と、かごの鳥とりは、いいました。
「どうかして、そのかごの中なかから、逃にげ出だすことはできませんか……。」と、ふたりは、哀あわれな鳥とりにささやいたのであります。
かごの鳥とりは、うらめしそうに、こちらを見みていたが、
「逃にげ出だしても、私わたしには、もはや、あの山やまを越こすだけの力ちからがありません。それより、あなたたちは、はやく、ふるさとへお帰かえりなさい。夏なつになると、この国くには、とても暑あついのです。」と、いいました。
二羽わの小鳥ことりは、なるほどと考かんがえました。そして、急きゅうに、ふるさとがなつかしまれたのであります。それから、まもなく、ふるさとを指さして帰かえりました。ふたりは、きたときのように、途中とちゅう幾いくたびも木きにとまって休やすみました。
「あの国くににすんだにしても、みんな生擒いけどりにされたり、殺ころされたりするものばかりでもないだろう。」と、ひとりがいいますと、
「美うつくしい花はなの咲さくところや、にぎやかなところにばかり、私わたしたちの幸福こうふくがあると思おもったのが、まちがっていたのだ。やはり、平和へいわで、自由じゆうに暮くらせるところが、いちばんいいのだ。」と、ひとりが答こたえました。
ふるさとに帰かえると、すっかり春はるになっていて、清きよらかな、香かおりの高たかい、花はなが、南みなみの国くにほど、種類しゅるいはたくさんなかったけれど、山やまや、林はやしに、咲さいて、谷川たにがわの水みずが、朗ほがらかにささやいていました。年としとった鳥とりたちは、ふたりの帰かえったのを喜よろこびました。そして、ふたりは、昔むかしの生活せいかつに返かえったが、ときどき南みなみの方ほうの空そらをながめて、あの空そらの下したにいる不幸ふこうな仲間なかまの身みの上うえを考かんがえたのでした。
 
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