返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 小川未明童話集 » 正文

窓の内と外_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:窓の内と外小川未明白しろと黒くろの、ぶちのかわいらしい子こねこが、洋服屋ようふくやの飾かざり窓まどのうちに、いつもひなた
(单词翻译:双击或拖选)
 

真昼のお化け

小川未明

上


光こう一は、かぶとむしを捕とろうと思おもって、長ながいさおを持もって、神社じんじゃの境内けいだいにある、かしわの木きの下したへいってみました。けれど、もうだれか捕とってしまったのか、それとも、どこへか飛とんでいっていないのか、ただ大おおきなすずめばちだけが二、三びき前後ぜんごを警戒けいかいしながら、幹みきから流ながれ出でる汁しるへ止とまろうとしていました。しかたなく、鳥居とりいのところまでもどってきて、ぼんやりとして立たっていると、せみの声こえがうるさいほど、雨あめの降ふるように頭あたまの上うえからきこえてくるのでした。そのとき、勇ゆうちゃんが、あちらから駆かけてきました。
「なにをしているのだい?」
「なんにもしていない。」
光こう一は、さびしく思おもっていたところで、お友ともだちをばうれしそうに迎むかえたのです。
勇吉ゆうきちは、並ならんで鳥居とりいによりかかるとすぐに、問題もんだいを出だして、
「長ながい足あしで歩あるいて、平ひらたい足あしで泳およいで、体からだを曲まげて後あとずさりするもの、なあんだ……。」と、光こう一に向むかってききました。
「考かんがえもの?」
「うううん、光こうちゃんの知しっているものだよ。」と、勇吉ゆうきちは笑わらいました。
「なんだろうな。」
光こう一は、しきりに考かんがえていました。
かぶとむしではないし……。
「ああ、わかった。ばっただろう?」と、大おおきな声こえで答こたえました。
勇吉ゆうきちは、ちょっと目めを光ひからして、頭あたまをかしげたが、
「ちがうよ、ばったは、泳およぎはしないよ。」と、朗ほがらかに、笑わらったのです。
「僕ぼく、わからないから教おしえて。」
とうとう、光こう一は、降参こうさんしました。
「えびさ。きょう僕ぼく、学校がっこうで理料りかの時間じかんにならったんだよ。光こうちゃんもえびはよく知しっているだろう。けれど、そう聞きくと不思議ふしぎと思おもわない? 僕ぼく、えびをおもしろいと思おもったんだ。かぶとむしなんかより、えびのほうがずっとおもしろいと思おもったんだよ。あした、川かわへびんどを持もっていって、小ちいさなえびを捕とってきて、びんの中なかへ入いれてながめるのだ。」と、勇吉ゆうきちは、おもしろいことを発見はっけんしたように、いいました。
学校がっこうでは、一年ねん上うえの勇吉ゆうきちのいうことが、なんとなく光こう一にまことらしく聞きこえて、珍めずらしいものに感かんじられました。自分じぶんも来年らいねんになれば、やはり理科りかで同おなじところを習ならうのだろう、そうしたら、かぶとむしよりもえびがおもしろくなり、えびよりはもっとおもしろいものがあることに気きづくかもしれないと思おもいました。すると、急きゅうにこの大おおきな自然しぜんが、貴とうとい、美うつくしい、輝かがやく御殿ごてんのごとく目めの中なかに映うつったのです。
「光こうちゃん、僕ぼく、えびをとってきたら、どんなびんの中なかへ入いれると思おもう? 僕ぼくすてきなことを発明はつめいしたんだよ。君きみわからないだろう。」と、勇吉ゆうきちは、いいました。まったく、そんなことが、光こう一にわかろうはずがありませんでした。
むしろ、いろいろなことを知しっている勇吉ゆうきちをうらやましそうに、光こう一は、だまって見みつめていたのです。
「君きみ、水族館すいぞくかんで、お魚さかながガラスの箱はこの中なかを、泳およぐのを見みたろう? 水草みずくさを分わけて、ひらりひらりと尾おを揺ゆるがしたり、また、すうい、すういと小ちいさなあわを口くちから出だして。僕ぼく、あんなのを造つくるんだよ。」
「勇ゆうちゃん、どうして、造つくるの?」
「入いれ物ものかい? 教おしえてあげようか、僕ぼくの家うちへおいでよ。」
勇吉ゆうきちが、先さきになって、光こう一は、後あとからついて、人通ひとどおりの少すくない、白しろく乾かわいた真昼まひるの往来おうらいを駆かけていきました。
「僕ぼくも、兄にいさんからきいたので、まだ実験じっけんしてみないのだから、うまくできるか、どうかわからないのだ。ここに、待まっておいで。」
勇吉ゆうきちは、家うちへ入はいって、アルコールと、ひもと、マッチを持もってきました。
「お母かあさんが、昼寝ひるねをなさっていて、見みつからなくてよかった。」
彼かれは、見みつかればしかられるということをほのめかしたのでした。それから、物置ものおきの戸とを開あけて、中なかから、空からの一升しょうびんを取とり出だしました。また、バケツに水みずをいっぱい入いれて、そばに備そなえておきました。
「どうするの?」と、光こう一は、ききました。
「このガラスのびんをうまく切きるのさ。そうすれば、いい入いれ物ものができるだろう……。」と、勇吉ゆうきちは、大おおきなびんをながめて、その中なかへ水草みずくさを入いれ、赤あかべんたんや、えびを泳およがせるおもしろみを、いまから目めを細ほそくして、空想くうそうせずにいられませんでした。
「うまく、二つに切きれる?」と、光こう一が、疑うたがっている間まに、勇吉ゆうきちは、ひもをアルコールに浸ひたして、びんの胴どうへ巻まきました。そして、マッチをすって、それへ火ひをつけると、見みえるか見みえぬ幽かすかな青白あおじろい炎ほのおが、ひもの上うえから燃もえはじめました。いいかげんの時分じぶんに、急きゅうにバケツの水みずへびんをつけると、ピン! と音おとがして、ひもを巻まいたところから、びんは、真まっ二ぷたつにきれいに分わかれたのです。
「おお。」といって、光こう一は、もちろん、それをやった勇吉ゆうきちまでが、思おもわず感歎かんたんして、声こえを放はなったのであります。光こう一は自分じぶんを忘わすれて、持もっているさおを地面じめんへ倒たおしたのでありました。

 

轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: