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三つのかぎ(2)_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:二別べつに、また一人ひとりの若者わかものがありました。志こころざしをたて、故郷こきょうを出でてから、もう幾年いくねんにか
(单词翻译:双击或拖选)
 

二


別べつに、また一人ひとりの若者わかものがありました。志こころざしをたて、故郷こきょうを出でてから、もう幾年いくねんにかなりましたけれど、目的もくてきを達たっすることができずに、あちら、こちらと流浪るろうしていました。ある日ひのこと、彼かれは、疲つかれた足あしを引ひきずりながら、さびしい昔むかしの城跡しろあとを通とおったのであります。すると、壊こわれかかった石垣いしがきの間あいだに、夕日ゆうひの光ひかりを受うけて、ぴかぴか輝かがやいているものがありました。その光ひかりは、なかば土つちにうずもれているためか、それほどの強つよい輝かがやきではなかったけれど、彼かれの注意ちゅういをひくに十分ぶんだったのであります。
「なにが光ひかっているのだろう?」と、若者わかものは、その石垣いしがきのそばへ寄より添そってみました。そして、間あいだから光ひかっているものを掘ほり出だすと、小ちいさなかぎでありました。
「なにに使つかったものだろう……。」と思おもいながら、よく見みますと、それには、3という番号ばんごうがついていました。しかし、不思議ふしぎなかぎのような気きがして、それをふたたび捨すてることができなかったのです。きっと、このかぎで開ひらかれる箱はこか、なにかがあるにちがいない。もしそれを見みいだしたなら、いま自分じぶんの抱いだいているような、すべての野心やしんは遂とげられるだろうというような気きがしたのでした。
しかし、その秘密ひみつの箱はこは、どこにうずもれているかわからなかった。若者わかものは、その日ひから、この昔むかしの城跡しろあとやこの付近ふきんの町まちをたずね歩あるいて、黄金こがねの箱はこの話はなしを聞きき出だそうとしました。この若者わかものは、なかなかの智慧者ちえしゃでありましたから、このかぎが、どんな金かねで造つくられていたかということを、すぐに見分みわけることができたのです。そして、このかぎを使つかって開あけるほどの箱はこは、やはり黄金こがねで造つくられた箱はこにちがいない。黄金こがねの箱はこなどというものは、そうたくさんあるものでないから、どこかの倉くらに宝物ほうもつとなって、そのまましまってあるか、もしくは、どこかの地中ちちゅうにうずめられているという昔話むかしばなしでも、残のこっているであろうと考かんがえたからです。
ただ、このりこうな若者わかものは、このかぎの番号ばんごうが3であったから、まだこれと同おなじ合あいかぎが他たにあろうと思おもいました。それで、自分じぶんよりすでに先さきに、だれかその箱はこを開あけてしまうものがないかということを心配しんぱいしたのでした。
「いくつもかぎを造つくってあるからには、この箱はこは、だれにでも、すぐに発見はっけんされるような場所ばしょに隠かくしてはないだろう。」と思おもって、まだそれが見みつからないと考かんがえたのであります。
若者わかものは、それがために、熱心ねっしんに城しろの歴史れきしなどから伝説でんせつなどをしらべたのでした。

 

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