返回首页
当前位置: 首页 »日语阅读 » 小川未明童話集 » 正文

雪くる前の高原の話(2)_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:花はなは、季節きせつの移うつりとともに、だんだん少すくなくなり、散ちってゆきました。はちはレールの上うえにとまって、日ひ
(单词翻译:双击或拖选)
 
花はなは、季節きせつの移うつりとともに、だんだん少すくなくなり、散ちってゆきました。はちはレールの上うえにとまって、日ひの光ひかりを浴あびて、じっとしていることもありました。
「もう、じきにトロッコがきますよ。」と、レールは、眠ねむっているはちを揺ゆり起おこしてやったこともあります。はちは、飛とび去さりました。空そらの色いろは青々あおあおとして晴はれていました。はちは、どこへいっても自由じゆうであったのだけれど、やはり、このあたりから去さりませんでした。
高たかい山やまには、秋あきがきて、はやくも冷気れいきのたつのが、ずっと里さとのほうよりは早はようございました。いろいろの虫むしが、自分じぶんたちの身みの上うえを悲かなしんで泣ないています。けれど、はちは、その地面じめんをはっている虫むしのようには悲かなしみませんでした。どこへなりと飛とんでゆこうと思おもえばいけたからです。けれど、やはり、彼かれは、古巣ふるすのかかっているところを恋こいしがっていました。
夏なつのはじめの時分じぶんには、どんなに、自分じぶんたちは楽たのしかったろう。このあたりは、自分じぶんたちの朗ほがらかに歌うたう唄うたの声こえでいっぱいであった。そして、紫むらさきや、赤あかや、青あおや、黄きや、白しろの美うつくしい花はなたちは、いずれも自分じぶんたちの姿すがたをほめはやしたものだ。そして、すこしでも長ながく、自分じぶんのところにいてもらいたいと願ねがったものだ。しかし、もう、自分じぶんたちの仲間なかまは散ちってしまった。美うつくしい花はなは、とっくの昔むかしに、なくなってしまった。けれど、なんで、もう一度どああいうことがこないといえよう……。はちには、こんなことも空想くうそうされたのでした。
太陽たいようが、だんだん方向ほうこうを変かえて、レールの上うえがかげり、地ちの上うえが冷つめたくなって、下したの枝えだには終日しゅうじつ、日ひの当あたらないことがあるようになってから、彼かれは、高たかい枝えだにからんだ、つたの葉はに止とまっていたのでした。いつしか、そのつたの葉はもまた赤あかく色いろづいてきたのであります。しかしやさしいつたの葉はは、自分じぶんのやがて散ちることも忘わすれて、つねに、はちを慰なぐさめていました。
「もう、じきに太陽たいようが上あがりますよ。そうすると暖あたたかになります……。」と、つたの葉ははいいました。
であるのに、たえず、すぎの若木わかぎは、周囲しゅういの草くさや、木きや、虫むしなどを冷笑わらっていたのです。
「俺おれは、ひとり戦たたかわなければならない。みんなが、いくじなく枯かれたり、散ちったり、死しんだりしてしまったとき、吹雪ふぶきと嵐あらしに向むかって叫さけび、戦たたかわなければならない。」と、誇ほこり顔がおにいっていました。
しかし、だれも、それに対たいして反抗はんこうするものはなかったのです。すべて、すぎの若木わかぎのいうとおりだったからです。
石炭せきたんに止とまって、はちがじっとしていると、
「私わたしたちといっしょに町まちへゆきませんか。私わたしたちはどうせ工場こうばへつれてゆかれるだろうけれど、あなたは、町まちへいったら、自由じゆうにどこへでも飛とんでゆきなさるがいい。町まちは、にぎやかで暖あたたかだということを聞きいています。私わたしたちもまた町まちへはじめてだが、そこは明あかるくていろいろな美うつくしいものがあるということです……。私わたしたちといっしょにゆきませんか。」と、石炭せきたんは、はちに向むかっていいました。
はちは考かんがえました。自分じぶんは、あまり寒さむくならないうちに、隠かくれ場所ばしょを見みいださなければならないが、この野原のはらの中なかにしようか、それとも石炭せきたんがゆこうとしている町まちにしようか、もっと考かんがえてみなければならない。年としとった仲間なかまは、冬ふゆの雪ゆきのある間あいだを、寺てらのひさしの下したに隠かくれ場ばを造つくってはいっていたというから……このあたりは、雪ゆきが深ふかく積つもって、適当てきとうな場所ばしょが見みいだされないかもしれない。なるほど、石炭せきたんのいうように、このまま町まちへゆくとしようかと、美うつくしい翅つばさを震ふるわしてはちは考かんがえていました。
このとき、トロッコの上うえに乗のっていた労働者ろうどうしゃは、はちに目めをとめると、
「この辺へんに巣すがあるとみえて、いつか俺おれの足あしを刺さしやがった……。殺ころしてくれようかな。」といって、足あしを揚あげて、はちを踏ふみつぶそうとしました。しかし、はちは危あぶないところを脱のがれて飛とび立たちました。その後あとで、石炭せきたんがとばっちりを食くって大騒おおさわぎをしていました。
はちは、レールについて、もとの場所ばしょへ帰かえろうと思おもいました。そこにはやさしい、つたの葉はが待まっていたからです。
はちは、レールについて飛とんでくるうちに、レールが苦くるしそうに、身みを曲まげて地面じめんをはっているのに、はじめて気きがついて、
「なんで、あなたは、そんなようすをしているのですか。」と、はちは、レールにたずねました。レールは、ものすごい目めつきで、はちを見上みあげて、
「私わたしが、こうして、苦くるしんでいる姿すがたは、いまはじめて気きがついたのですか。もう、長ながい間あいだここにうめいている。それも、老おいぼれたくぎめがしっかりと私わたしの体からだを押おさえていて放はなさないからだ……。」と、うらみがましく答こたえました。
はちは、こんな強つよそうに見みえるレールにも、こうした悩なやみと苦くるしみとがあることを、はじめて知しったので、なおも子細しさいに、そのようすを見みとどけようと思おもって、くぎが押おさえているところへいってみました。
なるほど、赤あかくさびた、老おいぼれたくぎが、いっしょうけんめいにレールを押おさえつけているのでした。はちはそこへ飛とんできてとまると、
「なぜ、そんなにあなたはレールを押おさえつけているのですか。」と、たずねたのであります。
「俺おれは人間にんげんからいいつかったことをしているのさ。」
「しかし、あなたとレールとは、もと同おなじ一家かではありませんか。兄弟きょうだいといってもいいでしょう。」と、はちは、同おなじ鋼鉄こうてつでできていたから、そういったのです。
「しかし、俺おれが人間にんげんからいいつかったことを忘わすれて、手てを放はなしたら、なにか悪わるい結果けっかになりはしないかと心配しんぱいするのだ。」と、赤あかくさびたくぎがいいました。
「だが、あなたは、だいぶ年としをとっていられますから、すこしぐらい休やすまれたって、だれも不思議ふしぎとは思おもいますまい。」と、はちは答こたえたのであります。
さびたくぎは、なるほどというような顔かおつきをして、はちのいうことを聞きいていました。
はちが、やがて、赤あかいつたの葉はの上うえにもどってきました。つたの葉はは、空そらを見上みあげながら、
「また、あらしになりそうですね。」と、心配しんぱいそうな顔かおつきをしていました。
ひとり、すぎの若木わかぎは、傲慢ごうまんに、強つよそうなことをいっていばっていたのであります。
赤あかさびのしたくぎは、はちのいったことから、つい気きがゆるんでレールを押おさえつけていた手てを放はなしました。すると、レールは、すかさずに、曲まげていた体からだを伸のばしたのです。このとき、トロッコが、ほかの石炭せきたんを積つんで山やまから下くだってきました。つたの葉はの上うえにとまっていたはちは、先刻せんこくの石炭せきたんは、いまごろどこへいったろう……。町まちの工場こうじょうへは、まだ着つくまいと思おもっていた瞬間しゅんかんに、トロッコが脱線だっせんして、異様いような音おとをたてたかと思おもうと、こちらへすべってきてすぎの若木わかぎのかたわらにひっくり返぀�しかし、俺おれが人間にんげんからいいつかったことを忘わすれて、手てを放はなしたら、なにか悪わるい結果けっかになりはしないかと心配しんぱいするのだ。」と、赤あかくさびたくぎがいいました。
「だが、あなたは、だいぶ年としをとっていられますから、すこしぐらい休やすまれたって、だれも不思議ふしぎとは思おもいますまい。」と、はちは答こたえたのであります。
さびたくぎは、なるほどというような顔かおつきをして、はちのいうことを聞きいていました。
はちが、やがて、赤あかいつたの葉はの上うえにもどってきました。つたの葉はは、空そらを見上みあげながら、
「また、あらしになりそうですね。」と、心配しんぱいそうな顔かおつきをしていました。
ひとり、すぎの若木わかぎは、傲慢ごうまんに、強つよそうなことをいっていばっていたのであります。
赤あかさびのしたくぎは、はちのいったことから、つい気きがゆるんでレールを押おさえつけていた手てを放はなしました。すると、レールは、すかさずに、曲まげていた体からだを伸のばしたのです。このとき、トロッコが、ほかの石炭せきたんを積つんで山やまから下くだってきました。つたの葉はの上うえにとまっていたはちは、先刻せんこくの石炭せきたんは、いまごろどこへいったろう……。町まちの工場こうじょうへは、まだ着つくまいと思おもっていた瞬間しゅんかんに、トロッコが脱線だっせんして、異様いような音おとをたてたかと思おもうと、こちらへすべってきてすぎの若木わかぎのかたわらにひっくり返かえったので、すぎの若木わかぎは石炭せきたんに押おされて曲まがってしまいました。ふいのできごとに驚おどろいて、はちは前後ぜんごを忘わすれて、かなたの大おおきな、はんのきのところまで逃にげてしまいました。
その晩ばん、真まっ白しろに、この高原こうげんには、雪ゆきが降ふったのであります。
 
轻松学日语,快乐背单词(免费在线日语单词学习)---点击进入
顶一下
(0)
0%
踩一下
(0)
0%

热门TAG: