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雪の上のおじいさん(2)_小川未明童話集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:二人ふたりは、また、そこから歩あるきました。子供こどもは、風船球ふうせんだまを買かってもらって、そのうえ、おじいさんがひ
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二人ふたりは、また、そこから歩あるきました。
子供こどもは、風船球ふうせんだまを買かってもらって、そのうえ、おじいさんがひじょうにしんせつにしてくれますので、もう泣なくのはやめてしまいました。そして、とぼとぼとおじいさんに手てを引ひかれて歩あるいていました。
「坊ぼうや、おまえは、どっちからきたのだ。」と、おじいさんは、こごんで子供こどもの顔かおをのぞいてききました。
子供こどもは目めをくるくるさして、あたりを見みまわしました。けれど、子供こどももこの辺へんへきたのは、はじめてだとみえて、ぼんやりとして、ただ驚おどろいたように目めをみはっているばかりであります。
「坊ぼうは、歩あるいてきた道みちを覚おぼえているだろう、どちらから歩あるいてきたのだ。」と、おじいさんは、やさしくたずねました。
子供こどもは、再さい三おじいさんに、こうして問とわれたので、なにか返事へんじをしなければ悪わるいと思おもったのか、
「あっち。」と、あてもなく、小ちいさい指ゆびで、にぎやかな通とおりの方ほうを指さしたのです。
「坊ぼうは、きた道みちを忘わすれてしまったのだろう。無理むりもないことだ。なに、もうすこしいったら巡査おまわりさんがいるだろう。」と、おじいさんはいいました。
「おじいさん、巡査おまわりさんは、いやだ。」と、子供こどもはいって、またしくしくと悲かなしそうに泣なき出だしました。
おじいさんは、急きゅうにかわいさを増ましました。また、巡査おまわりと聞きいて、泣なき出だした子供こどもを見みておかしくなりました。
「よし、よし、巡査おまわりさんのところへはつれてゆかない。おじいさんが、お家うちへつれていってやるから泣なくのじゃない。ほら、みんなが笑わらっているぞ。」と、おじいさんはいいました。
公園こうえんの方ほうで、鳥とりのないている声こえが聞きこえました。空そらを見みると、曇くもっていました。そして、寒さむい風かぜが吹ふいていました。
おじいさんは、ほんとうに困こまってしまいました。どうしたら、この子供こどもを家うちへとどけてやることができるだろうかと思おもいました。子供こどもの親おやたちが、どんなに心配しんぱいしているだろう。そう思おもうと、早はやく、子供こどもをあわしてやりたいと思おもいました。どうして、この子供こどもは、こんなところへ迷まよってきたろう。この近所きんじょの子供こどもなら、自分じぶんの家うちの方角ほうがくを知しっていそうなものだがと、おじいさんは、いろいろに考かんがえました。
しかし、世間せけんには、怖おそろしい鬼おにのような人間にんげんがある。自分じぶんが苦くるしいといって、子供こどもを捨すてるような人間にんげんも住すんでいる。そんな人ひとの心こころはどんなであろうか。
「坊ぼうは、おじいさんの家うちの子供こどもになるか。」と、おじいさんは、笑わらいながらききました。
「なったら、また、風船球ふうせんだまを買かってくれる?」と、子供こどもは、おじいさんの顔かおを見上みあげました。
「ああ、買かってやるとも、いくつも買かってやるぞ。」と、おじいさんは、大おおきなしわの寄よった掌てのひらで子供こどもの頭あたまをなでてやりました。おじいさんは、幾いく十年ねんとなく、毎日まいにち、圃はたけに出でてくわを持もっていたので、掌てのひらは、堅かたく、あらくれだっていましたが、いま子供こどもの頭あたまをなでたときには、あたたかい血ちが通かよっていたのであります。
このとき、あちらからきちがいのように、髪かみを振ふり乱みだして、女おんなが駆かけてきました。
「坊ぼうや、おまえはどこへゆくのだい。」と、母親ははおやは子供こどもをしかりました。
子供こどもは、またお母かあさんに、どんなにひどいめにあわされるだろうかと思おもったのでしょう、急きゅうに大おおきな声こえで泣なき出だしました。
「そんなら、このお子供こどもさんは、あなたのお子こさんですかい。」と、おじいさんは女おんなの人ひとにききました。
「私わたしの子供こどもでないかもないもんだ。朝あさから、どんなに探さがしたことですか、警察けいさつへもとどけてありますよ。」と、女おんなはいいました。
「さあ、坊ぼうや、お母かあさんといっしょにゆくだ。」と、おじいさんはいいました。
子供こどもは、ただ泣ないていて、おじいさんのそばを離はなれようとしません。
「おまえは、どこへゆくつもりだい。」と、母親ははおやは怖おそろしい目めをしてどなりました。
「おじいさんといっしょにゆくのだ。」と、子供こどもは泣なきながらいいました。
「おじいさん、この子こをどこへつれてゆくつもりですか。」と、母親ははおやは、おじいさんに向むかって腹はらだたしげに問といました。
おじいさんは、なんという気きのたった女おんなだろう。子供こどもがこれではつかないはずだ。きっと家うちがおもしろくなくて、それで、あてもなく出でて歩あるいているうちに道みちを迷まよってしまったに違ちがいない。それにしても、あんまり優やさしみのないところをみると、継母ままははであるのかもしれないぞと、おじいさんは、いろいろに考かんがえましたが、こんな女おんなには、わかるようにいわなければだめだと思おもって、ここまで自分じぶんが子供こどもをつれてきたことをすっかり話はなして聞きかせたのです。
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