三厩(みんまや) (青森県外ヶ浜町)
「みんまや」は義経が北海道に逃れたときに乗った三頭の龍馬
青森県東津軽郡にある「三厩」という地名には、源義経の伝説が関わっているという。
いまからさかのぼること八百年ほど前、数々の手柄を立てた義経も、とうとう兄である頼朝にまで疎うとまれて都落ちし、岩手県の衣川で最期を遂げた。だが、別の伝説も残っているのだ。
じつはさらに北上して逃げのび、津軽海峡を渡って北海道まで行ったという説だ。
とくにこの三厩は、地形的にも北海道に渡るための本州最北端だったため、その伝説によって地名ができたという土地柄なのだ。
それゆえ、義経にまつわる伝説も数多く残っている。
地名の由来に起因するのは「厩うまや石いし」。北海道へ行くつもりの義経は、荒れる津軽海峡に行く手を阻まれていた。そこで、岩に座って三日三晩祈りつづけた。すると海は静まり、岩の洞穴に三頭の龍馬がつながれているのを見たという。
義経の一行は、その龍馬に乗り、海を渡って北海道に行ったとされ、以来、この場所は、この「三頭の馬」の意味をあらわして「三厩」といわれるようになったという。
そして、義経が三日三晩座っていたとされる石が、「厩石」といわれるようになったのだという。
義経は、北上の際に三厩で風待ちをしたあと、竜たつ飛ぴから蝦え夷ぞ地へ渡ったということだ。