おいらん淵(おいらんぶち) (北海道札幌市)
明治末期の遊郭の女郎が身を投げた地 北海道札幌市に、明治末期の遊郭の女郎が身を投げる名所だったという土地がある。札
幌の『さっぽろ・ふるさと文化百選』にも選ばれている「おいらん淵」の伝説だ。
一般には、いまでも全国的に名高い歓楽街でもある「すすきの」で、明治の末期、遊郭で働いていた花おい魁らんが、その苦しさや哀しさから逃れるために、数多く、崖の上からこの淵に身を投げたことから「おいらん淵」といわれたのだという説が広まっている。
そのほかの説もある。このおいらん淵のある豊平川を、木材の流送に活用していた頃のこと。この淵のあたりは水深の深い難所であった。木材流送の仕事はここを無事に越えると一段落なのだ。
そして、一段落をしたときに、親方が人夫たちに「おいらんとでも遊んでこい」と、その日の働きに金を払って人夫を帰す。そのことから、おいらん淵といわれるようになったという説もある。
いずれにしても、現在の豊平川には木材流送をしたり、自殺の名所になったりするほどの水量がないというが、その昔はたいへん水の量が多く、危険な場所であったようだ。