星原(ほしはら) (愛媛県新居浜市)
隕石を天から降ってきたものとして崇める「星原」
愛媛県新居浜市の「星原」という町に、「眞ほ星し神社」と呼ばれる小さな神社がある。「星の宮神社」ともいわれるこの神社の境内には、その名の由来に関する、こんな看板が立っている。
「昔この地に隕いん石せきが落下し、里人は一小祠を建立して星の宮、眞星神社、星原神社等と呼称して信仰し……」
つまり簡単にいうと、天空から落ちてきたとされる隕石が、この神社のご神体としてここに祀られているというのだ。
そのことから、「星の落ちてきた草原」という意味で、星原という地名ができたのである。
愛媛県には、この星原以外にも「星」にちなんだ名前の地名が多く、西条市小松町にも「星の森峠」という場所がある。これは、その昔この場所で、弘法大師が星供養をおこなったことからきているのだという。当時、中国や日本では、人は生まれた年の干支によって北斗七星の七つの星のどれかに属し、寿命や運命はその星が握っていると信じられていた。
そのため、自分の属する星を祀って供養をする慣わしがあり、それを星供養といったのである。
しかし、これだけ星にまつわる逸話の多い愛媛県だが、残念ながら、実際に化学分析で隕石であると認められたものは一つもないということだ。