そんな私も急だけど結婚する事になった。22年間ずっと一緒にいた家族の元を離れる時がきた。不安はなかったと言えばウソになるだろうが、希望の方が強かった。私もこの家族より明るい家庭を作ろうと。
門出の日。明るく家を出た。母親に『じゃあ行ってくるね』とまるでコンビニにでも行くかのように家を出た。でもね、家を出てからの景色は違ったよ。すごく寂しかった。荷物がやたらと重かった
曲がり角に差し掛かった時思いだしたんだ。中学生の時、反抗期に入った私。家を出て遠くの、この曲がり角で私が見えなくなるまで玄関から手を降り続けていた母。それを恥ずかしいからという理由でやめてくれと言った事。
ふと気になって後ろを振り返った。そこには顔を押さえながら、あの日のように手を振る母がいた。言葉では言い表せない感情が涙になって溢れ出た。
いつも私の事を考えて、冷静に叱ってくれる兄。いつも家族のために頑張り、困っている人を放っておけない父。そしていつも明るく優しく、美味しい料理を出してくれた母。私はいつまでもあなたたちの甘えん坊です。