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新标准日本语高级:第二十二课 自然保護(课文)

时间: 2015-04-23    进入日语论坛
核心提示:ジャイアントパンダを守るジャイアントパンダ(以下「パンダ」という)は中国にしか生息しない希少動物であり、国際的な環境保全
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ジャイアントパンダを守る

ジャイアントパンダ(以下「パンダ」という)は中国にしか生息しない希少動物であり、国際的な環境保全団体である世界自然保護基金(WWF)のシンボルマークにもなっている絶滅危惧種でもある。

日本では2011年現在、3か所の動物園で11頭のパンダが飼育されているが、いずれも中国から貸与されたものである。そこで、パンダと日本との関係や生態はもとより、なぜ絶滅危惧種になったのかなど、パンダをめぐる話題を取り上げてみたい。

一説によると、パンダは、今から1300年以上も前に日本にやってきていたといわれている。西暦685年、中国と日本の間を遣唐使が行き来していたころ、親善大使として、生きた2頭の「白熊」が日本に贈られたというのだ。この「白熊」がパンダだったらしい。ただし、真偽のほどは定かはない。

近代になって一時、中国は、外国政府にパンダを贈って友好を深めるという外交を展開したことがあり、1972年に日本にも2頭のパンダが贈られた。しかし、現在では、中国国内の有識者やWWFの意見などを受けて、貸与による収入でパンダとその生息地の保護のための資金の一部をねん出している。

借りる国は限られているが、パンダがいるか否かで、動物園の来園者数が極端に違ってくるらしい。それは、世界中の動物園に共通した現象で、あの白黒模様の丸っこい大きな体、愛きょうたっぷりの無邪気なしぐさなどに、子供だけでなく大人までも魅了されてしまうのである。テレビなどでは時たま、泥まみれで遊ぶパンダが映し出されることもあるが、その様子に一層愛着心をかき立てられる人もいるのではないだろうか。

パンダは「生きた化石」とも呼ばれる。パンダの祖先は、今から200万~300万年も前に、中国東部や南部の広い範囲にかけて生息していたと考えられているからだ。中国各地で、それを裏付ける歯の化石が見つかっている。また、広西チワン族自治区の洞くつからは、およそ200万年前の物と推定される、パンダと同属の種の頭骨も発見されている。

2005年現在、野生のパンダの個体数は1、600頭弱で、主に中国四川省北部や陝西省南部、甘粛省南部の高山地帯に生息している。中国国内には60か所の保護区が設けられている。その最も有名なものが、四川省北部にある臥龍自然保護区で、総数の10%がここで生息しているといわれる。だが、残念なことに、2008年の四川大地震によって、保護区の中にあるジャイアントパンダ保護研究センターが壊滅的な被害を受けた。このセンターでは、震災前、63頭のパンダが飼育されていたが、1頭が地震により命を落とし、1頭はセンターから逃げ出したまま、依然として行方が分かっていない。残る61頭のうち、長距離の移動が難しい1歳の子パンダ7頭を除いたパンダたちは、中国国内のパンダ保護施設や動物園に送られ、散り散りになってしまった。

一方、動物園などで飼育されているパンダの数は世界中で、200頭にも満たない。中国の動物園以外では、タイ、アメリカ、メキシコ、ドイツ、オーストリア、日本などにいるが、その数は合計でも30頭あまりであり、ほとんどが中国の動物園や研究施設で飼育されているというのが実情である。

ただし、一口に飼育といっても、パンダほど手間のかかる動物はないようだ。主食といえば笹や竹の子で、その量は1日1頭あたり40~50kgというから、飼育係は、まずその主食の確保に難儀する。また、野生でなく、飼育されている環境では、繁殖能力のある雄が少なく、ほとんどが人工交配に頼らざるをえない。

人工交配の場合は、雌は双子を産むことが多いが、仮に繁殖が成功して子供が2頭生まれたとしても、母親は2頭を育てようとはしない。ほとんどの母親は1頭の世話にかかりっきりになってしまう。生まれたばかりの子供は、体重が90~130gほどで、体温の調節もできず、免疫力もたいへん低いため、母親が片時も離れずに育児をしなければならないからだ。飼育係は、双子のうち1頭の世話をし、4~6時間ごとに母親のもとにいるもう1頭の子供と取り替える、という方法で、母親に2頭を育てさせる。このような具合だから、飼育係は息をつく暇もないほどで、その苦労は並大抵のことではない。

今では、大切に保護され、苦労して飼育されているパンダだが、過去には、世界の多くの国によっで捕獲されるという悲惨な歴史があった。各国の動物園が無節操に見世物にしようとしたのだ。1936年からおよそ10年の間に、14頭ものパンダが、外国人によって中国から国外に持ち出された。それ以前にも、外国の博物館ではく製を展示しようとして、パンダが何度も狙撃されるということがあった。

その後、1950年代に入って、パンダは国から親善大使としての役割を担わされるようになったが、同時に近代化のために生息地も破壊されて絶滅の危機に見舞われることになった。世界への親善大使という期待された一面を持ちながらも、パンダにとっての未来は、依然、不安に満ちている。それを安心に変えるためにも、人々の英知と愛情、自然を守り抜くという強い信念が、今、必要とされているのである。

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