ツバメの渡りは地球の南半球から北半球へと、何千キロメートルにもなります。ツバメがいつ渡ってきたかで、ツバメがくらしていた地域や、渡りのルートの気象の変化や環境の変化をおしはかる(注)ことができます。そして、その変化を長期間に渡って観察をつづけることで、地球全体の気象の変化を予測する手がかりにもなるので、気象庁では、その年にはじめてツバメを見た日「ツバメの初見日」を、各地の観察者や研究者からの報告をもとに、記録をとっているのです。
ツバメが渡りの行動をおこすのは、日照時間にかかわりがあるといわれています。
(中略)日照時間は年ごろの変化が比較的少ないので、日時がそれほどずれることがあるませんでした。ところが長年蓄積された記録を調べてみると、近年、各地のツバメの所見日が早まってきていることがわかってきました。
その原因は。。。
まだはっきりとつきとめられてはいませんが、地球温暖化によっておこる気象の変化でオーストラリアや東南アジア地方の晴、雨天のバランスがくずれ、日照時間にまでくるいがでてきているのかもしれません。
(注)おしはかる:推測する。
「問い」ツバメが日本へ渡ってくるのはなぜか
1 南半球でひなが育ち、えさとなる昆虫が不足するから
2 日本が春になる頃、ひなが海を渡れるようになるから
3 日本が暖かくなるとえさがふえ、子育てがしやすいから
4 日本は冬になっても、他の地域より暖かくえさが豊富だから
「問い」「ツバメの所見日」を記録しているのは何のためか
1 ツバメの渡りのルートを解明するため
2 日照時間の短縮の原因を究明するため
3 世界の気象や環境の変化を研究するため
4 観察者や研究者に気象情報を提供するため
「問い」最近の「つばめの所見日」と日照時間の関係について正しいものはどれか
1 南半球などで日照時間に変化がおきてツバメの渡りが早まっているのだろう
2 温暖化で日本の日照時間が長くなり、ツバメの渡りが遅れてきているようだ
3 ツバメは毎年日照時間と関係なく渡りを始めるようになったのかもしれない
4 日本の日照時間にくるいがでたために、ツバメの早く渡ってくるようになった
ツバメは季節の変化にあわせて、くらす場所をかえる渡り鳥です。日本が冬の時期は、暖かくてえさの豊富なオーストラリアや東南アジアでくらしています。たまごを産んでひなを育てる繁殖期が近づくと、春になってえさとなる昆虫が一気にふえる日本へ向けて、いのちがけで海を渡ってきます。