相手を元気にさせる魔法の言葉。
「その魅力は何?」
相手を元気にさせる魔法の言葉。「その魅力は何?」 | 場を盛り上げる30の会話術
中学生のころ、功一君という友人がいました。
功一君は、大のアニメ好きです。
少しマニアックな話になりますが、功一君は『魔方陣グルグル』の大ファンです。
『魔方陣グルグル』の単行本だけでなく、ビデオも全作品そろえています。
毎日、暇があったら見ていると言います。
遊びに行くと、部屋にはポスターが貼ってあり、登場人物の人形まで置かれています。
熱烈なファンである様子が、よく分かりました。
とりわけ漫画『魔方陣グルグル』に熱中しているので、そのアニメの魅力が気になりました。
「そのアニメの魅力は何だろうか」
純粋な疑問が浮かんだので、尋ねてみました。
彼はしばらく考えた後、自分なりに『魔方陣グルグル』の魅力を語り始めました。
「すべてのストーリーが前向き」
「必ず、面白い結末がある」「世界観が大好き」
数十分、あれこれと語り始めました。
すると、面白い出来事がありました。
「なんだか話をしているうちに元気になってきたぞ!」
功一君は、自分の好きな趣味について語っているうちに、元気になりました。
表情はぱっと明るくなり、嬉しそうに跳ねています。
興奮気味で、アニメのキャラクターの真似をしてくれ、私を笑わせてくれました。
私は単に「その魅力は何?」と尋ねただけです。
それ以外、何もしていません。
しかし、尋ねただけで相手を元気にさせてしまったのです。
その瞬間、はっと気づいたのです。
私はいつの間にか、彼の内観を深めるお手伝いをしていたのだと。
突然ですが、あなたの好きなことは何ですか。
好きな趣味を頭に思い浮かべてみましょう。
その魅力は何ですか。
「ええと、……」
「その魅力は何ですか」と聞かれて、言葉に詰まったと同時に、少し考えたはずです。
それはいい時間です。
好きなことを、さらに深掘りしているのです。
人間は、好きなことを答える機会はありますが「なぜ好きなのか」という理由まで答える機会は少ないものです。
「なんとなく好きだな」と思っているだけの場合が多い。
しかし、他人から「その魅力は何?」と聞かれると、あらためて自問自答することになります。
内観です。
「なぜ好きなのか」
「好きになったきっかけ」
「魅力について」
自分の好きなことについて、どんどん掘り下げる作用があるのです。
すると、元気になります。
「なるほど、自分が好きな理由はそういうことか」
他人に向けて話をしているにもかかわらず、話をしている本人こそ、驚くのです。
自分で自分を発見するからです。
相手の好きな話が出たら、次の質問を投げてみましょう。
「その魅力は何?」です。
すると相手は、魅力について自分なりに話をします。
「なぜ好きなのか」
相手は、たちまち元気になるはずです。
何気ない一言に、すさまじいパワーが秘められているのです。