WHO=世界保健機関は、福島第一原子力発電所の事故に伴う避難区域の設定など健康被害の防止策について、日本政府の対応は適切だとしたうえで、現段階では新たな対策は必要ないという考えを示しました。
WHOのネイラ公衆衛生環境部長は、13日、日本政府が今回の福島第一原発の事故の評価を国際的な基準で最も深刻な「レベル7」に引き上げたことを受けて記者会見しました。この中で、ネイラ部長は、避難区域の設定など健康被害の防止に向けた日本政府のこれまでの対応は、国際的な基準に沿ったもので適切だとしたうえで、現段階では新たな対策は必要ないという考えを示しました。その一方で、ネイラ部長は、将来、住民などの健康に放射性物質の影響が出ないか10年から20年の長期にわたって継続的に調べる必要があるという考えを示しました。また、日本の農産物の安全性に各国の間で懸念が広がっていることについて、ネイラ部長は、暫定基準を超える放射性物質が検出された農産物は出荷が制限され、そのほかの農産物も検査を受けているとして、各国に対し冷静な対応を求めました。