朝顔という物語
朝顔の種を撒いた。私は園芸部員、夏になったら、咲くだろうか。出会いは春、クラス換えをして、新しいクラスになって、初めて同じグラスになったあなた、あなたと私、隣同士の席、なぜかお互い話がよく合う相手で、気がつけば、よく話すようになっていた。仲がよくなっていた。そんな春、そうか、朝顔はだんだん育ってきた。蔓もだいぶ伸びってきて、あ、あれは蕾だ。咲くのも もうすぐだろう。あなたのこと なんだか気になる。どうしてだろう。それから、暫くして、ちょっとしたことから、あなたと喧嘩してしまった。朝顔も萎れてしまった。ちゃんと毎日世話をしていたはずなのに、このまま、あなたと仲直りできないのかなあ。そんなのいやだよ。涙が零れた。そして、きずいた。あなたのことが好きなんだ。次の日、朝顔は少し元気になったみたいだ。よっかた。ほっとしていると、ふと聞こえた、あなたの声。見れば、向こうの方から、あなたがこっちに走って来るのが見えた。あなたと私、仲直り。朝顔も もうすぐきれいに咲くだろう。夏、きれいに咲いた朝顔、あなたと私 これからは恋人同士。朝顔の種を撒いた。私は園芸部員。夏になったら、きれいに咲くことを願おう。