町を歩いていると、たまにお祭りを見かけることがある。
日本では昔から米が重要な農産物であった。その農産物や、その他のこの世の中のすべてのことは、みな神の力によって決められると考えられていた。だから、 昔から、田植えの時には、米がたくさん取れることを神に祈ってお祭りを行ない、秋になって稲が実ると、神に感謝して秋祭りを行なうことになっていたのであ る。しかし、現在ではどちらかというと、宗教的要素より観光的要素の大きいものも少なくない。
お祭りの日には、あちこちちょうちんが飾られ、子供たちは神社へ行って太鼓をたたく。またおみこしが出され、若い人たちが町じゅう村じゅうを担いで回る。 暗くなると、大勢の人々が神社に集まる。神社のあたりはたいへんな人出で、人々は回りの人に押されたり足を踏まれたりする。
子供たちはきれいな着物を着せられ、父母に手を引かれて神社へお参りに行く。鳥居をくぐると、小さな店がたくさん並んでいる。店にはおもちゃやお菓子など が並べられている。父母は子供にお菓子やおもちゃをねだられる。だから、お祭りになると、子供たちはどんなにうれしいかわからない。
本文:
田中:もうそろそろ、お祭りの行列が来るころですよ。おしゃべりはやめて、見に行きませんか。
李 :もちろん、行きますよ。お祭りを見るために来たんですから。
田中:お見せするほどりっぱなものではありませんがね。
李 :いや、ぜひ、日本の祭りは見ていきたいと思います。
……
田中:ほら、笛や鐘の音が聞こえて来たでしょう?やってきましたよ。たくさんの人がかついでいるものがあるでしょう?あれをおみこしと言います。
李 :ほほお、おみこしですか。
田中:そうです。小さいほうが子供のみこしで、あとからおとなのみこしも来ましたよ。
李 :何を叫んでいるのです。
田中:あれは「わっしょい、わっしょい」という掛け声を掛けているところです。
李 :うしろのほうから来るのは「しし舞」ではないですか。中国から伝わってきたものでしょう。
田中:へえ、よく知っていますね。そのとおりですよ。
李 :以前、お祭りについての本を読んではじめて分かったのです。ところで、そのパレードには何人ほどの人が参加していますか。
田中:そうですね…。三百人ぐらいじゃないですか。
李 :たくさんの人ですね。どこまで行くのでしょう。
田中:もしかしたら、この先にある神社までかも知れませんね。
李 :ついて行きましょうか。
田中:いや、よしましょう。神社まで行ったって、別にどうってことはないです。
単語:
農産物(のうさんぶつ)(名)③
神(かみ)(名)①②
田植え(たうえ)(名)③
宗教(しゅうきょう)(名)①
要素(ようそ)(名)①
提灯(ちょうちん)(名)③
太鼓(たいこ)(名)〇
みこし(神輿 御輿)(名)〇①
担ぐ(かつぐ)(他五)②
父母(ふぼ)(名)①
鳥居(とりい)(名)〇
潜る(くぐる)(自他五)②
強請る(ねだる)(自五)〇
行列(ぎょうれつ)(名 自サ)〇
お喋り(おしゃべり)(名)②
笛(ふえ)(名)〇
わっしょい(嘆)①
獅子舞(ししまい)(名)②
パレード(名)②
止す(よす)(他五)①
宗教心(しゅうきょうしん)(名)③
信者(しんじゃ)(名)①
神道(しんとう)(名)①
仏教(ぶっきょう)(名)③①
幸運(こううん)(名 形動)〇①
神式(しんしき)(名)〇①
葬式(そうしき)(名)〇
祖先(そせん)(名)①
霊(れい)(名)①
慰める(なぐさめる)(他一)〇④
彼岸(ひがん)(名)②
仏式(ぶっしき)(名)〇
御目出度い(おめでたい)(形)〇
不幸(ふこう)(名 形動)②
古代(こだい)(名)①
自然物(しぜんぶつ)(名)②
霊魂(れいこん)(名)①
英雄(えいゆう)(名)〇
支配者(しはいしゃ)(名)②
崇める(あがめる)(他一)③
祭る(まつる)(他五)〇
僧侶(そうりょ)(名)①
積み重ねる(つみかさねる)(他一)⑤
悟り(さとり)(名)〇
苦しみ(くるしみ)(名)〇
死後(しご)(名)〇
安楽(あんらく)(名 形動)①②
死者(ししゃ)(名)①②
弔う(とむらう)(他五)〇③
キリスト教(キリストきょう)(名)〇
加える(くわえる)(他一)〇③
神棚(かみだな)(名)〇
仏壇(ぶつだん)(名)〇