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第十一章 大いなるアグラの宝物(1)_四つの署名(四签名)_福尔摩斯探案集_日语阅读_日语学习网

时间: 2024-10-24    作者: destoon    进入日语论坛
核心提示:第十一章 大いなるアグラの宝物 私たちの捕虜は、船室キャビンに入ると、長いあいだ辛抱してそれを手に入れるために苦心惨憺さ
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第十一章 大いなるアグラの宝物

 

 私たちの捕虜は、船室キャビンに入ると、長いあいだ辛抱してそれを手に入れるために苦心惨憺さんたんしてきた、あの鉄の箱と向かい合わせに坐った。彼は陽焼けした、豪胆な目つきの男で、一面皺しわだらけになった赤褐色の顔は、きびしい戸外の生活の名残りをとどめていた。ひげをはやしたあごのあたりが、特徴的に突き出ているところからして、初志を容易にまげないタイプの人間であるらしかった。黒いちぢれた髪には、かなり白いものが混じっていて、年は五十くらいかと思われた。平静な時の顔つきは不愉快なものではなかったが、つい今しがた見たように、激昴すると、太いまゆと挑戦的なあごが、恐ろしい形相を呈した。男は手錠をはめられた両手を、膝の上に置き、背中を丸めて坐り、輝く鋭いまなざしで、その悪事の原因となった箱をじっと見ていた。彼のじっとこらえているようなきびしい表情には、怒りというよりは悲しみが現われているようだった。一度などは、私を見上げる目つきに、何かこっけいじみたものさえうかがわれた。

「なあ、ジョナサン・スモール」と、ホームズは葉巻に火をつけながらいった。「こんな結果になって残念だよ」

「あっしもですよ」と、彼は率直に答えた。「このことで縛り首にはならんでしょうな。天に誓っていうが、あっしはショルトさんに手出しはしてない。あの悪魔じみたトンガの奴が、毒矢で射ったんでさあ。あっしは手をかしていない。あっしだって親兄弟がやられたように悲しんだくらいでさあ。あいつをロープの端でひっぱたいてやりましたよ。でも、済んじまったことは、もうとり返しかつかなかったんで」

「葉巻を吸いな」と、ホームズはいった。「それに、ずぶ濡れだから、これを一杯ひっかけるといい。あの黒人みたいに小柄で非力な男に、どうしてショルト氏をおどして、あんたがロープを伝わって登ってくる間、押さえておけるなどと思ったのかね?」

「現場に居合わせたみたいによくご存知ですな。実は部屋に誰もいない時に入ろうと思ったんです。屋敷の中の暮らしはよく知ってましたからね、普通ならショルトさんが夕食に下へ降ていく時間だったんです。何も隠し立てはしませんよ。あっしが自分を弁護するとしたら、ただ事実を述べることくらいしかないですからね。これが、ショルトの父親おやじのことで縛り首になるんなら、気軽に死んでやりますよ。あいつをばらすなんて屁へとも思っちゃいませんからね。でも、全然争ったこともないショルトの息子のことで、牢屋行きなんて、とても我慢ならんですよ」

「あんたの身柄はロンドン警視庁のアセルニー・ジョーンズ氏があずかっているんだ。彼があんたをぼくの部屋へ連れてくることになっているが、そこで事件の真相を聞かせてほしい。残らず白状した方かいいよ。そうすれば力になってやれるかもしれない。あの毒のまわり方が速いのだ、あんたが部屋に登ってくるまでに、あの人が死んでいたことを、ぼくなら証明できるかもしれないんだ」

「実際に死んでいたんですよ。窓から入ろうとすると、あの男が首を肩へ乗せたまま、こちらを向いてにやにや笑ってました。あの時ほどびっくりしたことは今までないです。本当に身震いしました。トンガのことを半殺しにしてやろうかと思ったら、あいつ、さっさと逃げ出したんです。そのとき奴は武器と毒矢を置き忘れたらしいんですが、それでアシがついてしまったんでしょう。もっとも、その先どうやって追ってきたのかは、こっちには見当がつきませんがね。あっしはあんたを恨んでなんかいませんよ。でも、考えてみればおかしな話だ」彼は皮肉な笑いを浮かべていった。「五十万ポンドに対して正当な権利を持っているこのおれが、人生の半分をアンダマン群島で防波堤造りに過ごし、残りの半分をダートムア刑務所で下水掘りに過ごすなんて。ひょんなことで商人のアクメットに出会って、アグラの宝を知ったのがけちのつきはじめです。宝は、それを持った者には、呪いしかもたらさなかったんです。奴にとっては人殺しだったし、ショルト少佐にとっては恐怖と罪だったし、あっしにとっては一生の奴隷仕事というわけでさあ」

 この時、アセルニー・ジョーンズが、大きな顔とがっしりした肩をして、狭い船室へ入ってきた。

「仲むつまじく、ですな」と彼はいった。「ホームズさん、ぼくも一杯いただこうかな。お互いに乾杯といきたいですな。もう一人を生け捕りにできなかったのは残念だが、まあやむを得ん。ホームズさん、あんたも大した離れ技わざをやったもんですよ、本当に。こっちは追いつくだけで精一杯でした」

「終わりよければすべてよし、だ」とホームズはいった。「それにしても、オーロラ号があんなに速いとは思わなかった」

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