東日本大震災による津波で太平洋に流れ出したがれきについて、環境省が改めてシミュレーションを行ったところ、北アメリカの沿岸部に本格的に到達し始めるのはこれまでの予測より遅い来月ごろからで、到達する量はその後の半年間で22万トン余りに上ると推計されることが分かりました。
震災による津波で海に漂流しているがれきは、およそ150万トンに上るとみられ、その一部はすでに北アメリカの太平洋沿岸やハワイ諸島に漂着しています。
環境省はがれきの動向について、これまで2度にわたって専門家に委託し、シミュレーションを行っていますが、より精度を上げて改めて計算しました。
その結果、漂流しているがれきのおよそ90%を占める家屋の破片などの木材は、以前の予測よりも4か月遅い来月ごろから、北アメリカの沿岸部に本格的に到達し始めるとみられるということです。
また、到達する量は推計で6月までに10万5000トン、さらに10月までには22万1000トンに上るということです。
この問題で、日本政府はアメリカとカナダ見舞金として総額600万ドルを提供していますが、今回の予測結果も提供し、本格的ながれきの到達に備えてもらうということです。