心臓移植の4歳児死亡…高校ラグビーで募金の輪
日本ラグビー協会A級レフェリー・麻生彰久(あそうあきひさ)さん(36)=福岡市東区=の長男で、重い心臓病のため全国からの募金で2011年に渡米し心臓移植に成功した修希(しゅうき)ちゃん(4)が5日午後、悪性リンパ腫のため大阪府吹田市の大阪大医学部付属病院で亡くなった。麻生さんは「非常に残念です。皆さまのご支援のおかげで延命でき、楽しい時間をいただくことができました」と、支援者を通じコメントした。
「支援で延命」…父、感謝
修希ちゃんは出生前に心臓疾患が見つかり、生後4日と同7カ月の時に手術を受けた。しかし心機能が低下する「拡張型心筋症」の手術を早急に実施しなければならず、ラグビー関係者らが「修ちゃんを救う会」を結成。募金活動を開始した。
11年1月の第90回全国高校ラグビー大会決勝では、主審を務めた麻生さんに、両校優勝した東福岡、桐蔭学園(神奈川)の選手らが集めた募金を手渡すなど支援の輪が広がった。募金総額は約1億8000万円にまでなった。
修希ちゃんは同年2月に渡米し、同7月に移植手術に成功。拒絶反応などもなく、12年1月の帰国後は定期的に通院して検査しながら福岡市の自宅で療養していた。手術前は厳しい水分摂取の制限などがあったが、術後は体重も増え、回復していった。しかし、昨年8月に体調を崩した後は、入院生活が続いていたという。
葬儀・告別式は8日午後1時、大分県玖珠町大隈245の2、花の庄くす会館。喪主は麻生彰久さん。