筋肉が徐々に衰える筋ジストロフィーの発症に、細胞内にあり、発汗のコントロールなど体内でさまざまな働きをする生理活性物質「プロスタグランディン」がかかわっていることを、神戸大大学院の竹島泰弘特命教授(小児科学)らの研究グループが発見し20日、発表した。オランダの医学雑誌「クリニカ・シミカ・アクタ」に掲載された。
竹島特命教授は「プロスタグランディンによる炎症を抑える薬剤は多く存在しており、筋ジスの治療に役立つ可能性がある」と話している。
筋ジスは遺伝子異常で筋力が低下する病気で、幼児期に発症。筋細胞の壊死(えし)と再生を繰り返して筋肉の萎縮(いしゅく)が進むが、発症の仕組みは十分に分かっていない。
プロスタグランディンは血圧を安定させるなど多岐にわたる役割があり、筋肉の炎症や発熱にもかかわっている。研究グループが4~15歳の患者と健常者で、尿に含まれるプロスタグランディンの代謝物質を測定した結果、患者の代謝物質が増加し、歩行障害が進行する8歳以降で特に増えたという。
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プロスタグランディン:前列腺素