警視庁のものとみられる国際テロに関する内部文書がインターネットに流出した問題で、捜査の協力者などの個人情報を掲載したまま文書を本にして出版した東京の出版社に対して、個人情報を掲載された男性らが、本の販売や増刷などの差し止めを求める仮処分を東京地方裁判所に申し立てたことがわかりました。
警視庁のものとみられる国際テロに関する内部文書114点が、ファイル交換ソフトを通じてインターネットに流出した問題で、東京・新宿区にある出版社「第三書館」は、捜査の協力者や警察官の個人情報を掲載したまま文書を本にして、2000部を出版しました。これについて、文書に個人情報を記載されていた外国出身のイスラム教徒の男性ら数人が、本の販売や増刷、無料での配布の差し止めを求める仮処分を東京地方裁判所に申し立てたことがわかりました。男性らの代理人の弁護士によりますと、裁判所は申し立てを受理して手続きを進めていて、早ければ29日じゅうに差し止めを認めるかどうかの決定が出る可能性があるということです。代理人の弁護士は「本の出版はプライバシーと名誉の侵害であり、個人情報を掲載された人たちの被害が大きいため、仮処分を申し立てた」と話しています。一方、第三書館の北川明社長は「申し立ての詳細を把握しておらず、対応は弁護士と相談して決めたい」と話しています。