20世紀を代表するスペインの画家、パブロ・ピカソの270点余りの作品を、ピカソの自宅に出入りしていたフランス人の電気技師の男性が保管していたことが分かり、当局がいきさつについて調査を始めました。
見つかったのは、1900年から32年に制作された作品で、青い色調で描かれた「青の時代」と呼ばれる初期の写実的で繊細な作風の時代の人物画や、「キュビズム」と呼ばれる技法で描かれた抽象的な絵画など、未公開の作品175点を含む、あわせて271点です。ピカソの遺産管理団体によりますと、新たに見つかった作品は、ピカソ自身によるものとみられ、あわせて6000万ユーロ(日本円にして66億円余り)の価値があるということです。作品は、晩年のピカソが住んでいたフランス南部の自宅で、警報機などを取り付けた電気技師の男性が保管していたもので、ことし9月に遺産管理団体に鑑定を依頼し、存在が明らかになったということです。男性は、ピカソやその妻から譲り受けたと主張しているということですが、遺産管理団体は、晩年のピカソが1人の人物に大量の作品を譲ることは考えにくいとして、男性を捜査当局に告訴しました。これを受けて、文化財の不正取り引きを取り締まるフランスの当局は、作品を押収し、いきさつについて調査を始めました。