みそなどの原料として遺伝子を組み換えていない大豆の需要が高まるなか、大手商社「伊藤忠商事」は、大手みそメーカーと共同で、アルゼンチンでこうした大豆の生産を始め、調達先の確保を図ることになりました。
世界的な大豆の生産地、アメリカでは、生産効率を上げるために、遺伝子を組み換えた大豆が作付面積の90%以上を占めています。これに対し、日本では、みそなどの原料として遺伝子を組み換えていない大豆の需要が高く、調達先の確保が大きな課題となっています。こうした状況に伊藤忠商事は、「ハナマルキ」などと共同で、アルゼンチンで遺伝子を組み換えていない大豆の生産を始め、29日、群馬県内のみそ工場に初めて運び込まれました。これらの大豆は、アルゼンチンの農家に委託生産したもので、今後は、みそ用にとどまらず、納豆や豆腐などの原料にも利用し、年間数千トンの生産を目指す方針です。ハナマルキの花岡俊夫社長は「日本の消費者は、食品の安全、安心に関心が高く、遺伝子を組み換えていない大豆の調達先を拡大することが必要だ」と話しています。遺伝子を組み換えていない大豆は、大手商社の「兼松」もオーストラリアで試験栽培を始めるなど、調達先を確保する動きがさらに広がりそうです。